ホームレス生活からの大逆転。アパレルブランドを立ち上げたYouTuber・えみ姉さんのシンデレラストーリー【私のはじめの一歩】

自分らしい生き方をしながら活躍する人の「はじめの一歩」について、本音で答えてもらう企画「私のはじめの一歩」。今回は、赤裸々なガールズトーク動画で人気を博し、わずか9カ月でチャンネル登録者数10万人、総動画再生数660万回を超えるYouTuber兼アパレルブランド『emutto(スナック エミュット)』のディレクターのえみ姉さんにインタビュー。「私を愛するためのお守り」となる服や動画を届けるえみ姉さんに、車中泊のどん底生活を経て未経験のアパレル業界で成果を出すまでの経験や、理想のキャリアに近づく秘訣などを伺いました。

プロフィール

大分県出身。赤裸々なトークで10~20代女性の支持を集める新進気鋭のインフルエンサー。調理学校を卒業してからパティシエになるが、重労働で体を壊して退職。車中泊のホームレス生活を経てフリーターになり、家賃2万円のアパート暮らしを送る。その後アパレル企業の正社員になり、副店長、店長と昇格。社長からアパレルブランド『emutto』の立ち上げを任され、PRのためにYouTubeで個人チャンネルを設立し、わずか9カ月でチャンネル登録者数10万人を突破した。

現在のYouTuber活動を始めたきっかけは何ですか?

新しいアパレルブランド『emutto』の立ち上げを任され、責任者になったことです。当時所属していたアパレル企業を退職しようとしたタイミングで「ブランドを立ち上げてみないか」と言われ「今はSNSの時代だから、もっと発信力をつけてセルフPRをしよう」と考えて会社員YouTuberになり、インフルエンサーとしての活動を本格始動しました。SNSは無料で発信できるツールですから!

YouTuberとして活動するまではInstagramでゆるく自己発信をしていたのですが、あまりファンが広がらない気がしていました。動画ならたくさん話しながら自分の思いを伝えられるし、Instagramの時はどこかカッコつけてしまっていましたが、YouTubeなら自分らしい発信ができると思ったんです。

なので、YouTubeでは最初から自分のカッコ悪いところもさらけ出しました。上司からは「キャラを押しすぎるとブランドイメージが崩れるから、あんまり喋らないで」とダメ出しされたのですが、それだとやりたいことができなくなってしまいます。思い切って自分のスタイルを貫いているうちに「素の部分に共感できる」というファンが増えていきました。

今ではInstagramでも素の自分を出せるようになり、どのSNSでも「隠し事をしない」をモットーに発信しています。そういうオープンな姿に親近感を抱いてくれる方が多くて、うれしいですね。おかげでYouTubeチャンネルの登録者数は1年足らずで10万人を超え、今は独立してYouTube活動とアパレルブランドの運営を両立しています。

えみ姉さんの今の生き方や考え方に影響した、一番のターニングポイントを教えてください。

影響を受けたのは母親です。父親は家にほとんどいなくて、母子家庭で育ったようなものでした。幼少期から母親が苦労する様子を見ていたので、周囲の人を大切にする母親の献身的なやさしさを尊敬しつつも「私は人や環境に縛られずに自立しよう」と反面教師にした部分もあり、それが今の生き方につながっていると思います。

人生のターニングポイントは、前職のアパレル企業に入社したことです。

以前はパティシエをしていたのですが、じんましんが出るほどのストレスを抱えてしまい仕事を失いました。当時はとにかく自立したかったので家を出て、車中泊のホームレス生活になったこともあります。それでもあきらめず「もう一度正社員になろう」と決意し、もともと興味があったアパレル業界に未経験ながら飛び込みました。店舗で販売員として働いていた時、何時間もタイムセールの呼び込みをしてへとへとになり、倒れたこともあります(笑)。それでも前向きに仕事しているうちに評価されて、アパレル未経験でも副店長から店長になり、さらにブランドを任されるまでにキャリアアップできました。

店長になってはじめて人を育てる立場へ踏み出し、2年近く試行錯誤の日々を送っていましたが、「上に立って厳しくする」スタイルから「みんなを巻き込んでいっしょに頑張る」スタイルに切り替えてからうまくいくようになりました。この時、周りと「飾らずに素のままのコミュニケーションをする」ことが一番大切だと学べたんです。

それによって、最初はお世辞にも仲が良いとは言えない店舗だったのに、だんだんと全員で協力しあえるお店になりましたね。辞めた今でも連絡を取り合うくらい大好きなメンバーばかりになったことがとってもうれしいです。

えみ姉さんのご経験から、二十代のビジネスパーソンが真似できる理想のキャリアに近づく方法を教えてください。


常に上を見て、ぬるま湯につからずに行動し続けることです。私はもともと何かになりたかったわけじゃないんですが、前に進める道があればとにかく突き進むタイプ。フリーター時代は「正社員になりたい」、正社員になったら「店長になりたい」、店長になったら「自分のブランドを作りたい」というように、いつも一歩先を目指し、叶えてきました。

自分が居心地よく感じたら危険信号! 「ちょっと苦しい」と感じる環境に飛び込んで背伸びし続けるのが大事だと思います。目標を叶えたらゴールじゃなくて、また新しい目標を掲げて自分と戦い続ければキャリアアップできると思います。

とはいえ「次はどうしよう」と考えすぎるとうまくいかないので、直感で動いていいと思います。社会も自分の気持ちも移り変わるものだから、明確な将来の夢なんてなくてもいいんです。何回だってやり直しできますから、目の前のことを経験しながら今やりたいことに正直に生きて、まずは直感を磨くのがいいと思います。

最近はじめてチャレンジできたこと、やってよかったことを教えてください。


やっぱりアパレルブランド『emutto』の立ち上げです。半年間必死で準備して、去年の夏に立ち上げました。お金の生み出し方とか、お仕事上での対等なコミュニケーションなど、ビジネス面で学ばなければならないことが多く、日々挑戦です。

最初に立ち上げを任された時は「自分なんて……」と自信がなかったのですが、そんな人に仕事を任せたくないですよね。「自分なんてって考えるのはやめよう」と決めてから、自分を肯定して、堂々とコミュニケーションできるようになりました。「私はこういう人間です」と胸を張って伝えるようにしています。

アパレルブランド『emutto』のコンセプトは「私を愛するためのお守り」で、購入者の方に渡しているショップカードも「お守りとして身につけて下さいね」と伝えています。

これからも公私ともに相手に歩み寄りながら、YouTubeやInstagramでも自分自身を愛せるようになるコンテンツを届けていきたいです!

仕事の告知・宣伝があればどうぞ!

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アパレルブランド・emutto

取材・文/秋カヲリ 撮影/倉持涼

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