考え抜いた先に生まれた新しい漫才スタイル。お笑いコンビ「東京ホテイソン」のこれまでとこれから【私のはじめの一歩】

東京ホテイソン。たける(写真左)と東京都出身のショーゴ(写真右)でお笑いコンビ「東京ホテイソン」を結成。M-1グランプリ2017、2018、2019準決勝進出。M-1グランプリ2020ファイナリスト。多くのテレビ番組やラジオ、舞台などで活躍中。岡山県高梁市の大使「備中高梁伝えたいし!」も務める。

自分らしい生き方をしながら活躍する人の「はじめの一歩」について、本音で答えてもらう企画「私のはじめの一歩」。今回は、お笑いコンビ「東京ホテイソン」のお二人です。トリッキーなお笑いスタイルを確立させ唯一無二の存在として注目を集めていますが、ここに行き着くまでには試行錯誤があったようです。お二人の今につながるはじめの一歩と、これからの目標について伺いました。

プロフィール

2014年9月、岡山県出身のたける(写真左)と東京都出身のショーゴ(写真右)でお笑いコンビ「東京ホテイソン」を結成。M-1グランプリ2017、2018、2019準決勝進出。M-1グランプリ2020ファイナリスト。多くのテレビ番組やラジオ、舞台などで活躍中。岡山県高梁市の大使「備中高梁伝えたいし!」も務める。

現在のお仕事を始めたきっかけを教えてください。

たける: 大学入学をきっかけに岡山から上京したのですが、最初は有名になりたいと思ってモデルを目指していたんです。でも、何度かオーディションを受けるうちに自分にモデルは無理だなと気づいて、昔から好きだったバラエティーの世界に挑戦しようとシフトチェンジしました。「バラエティーならお笑いだな。お笑い=漫才だな」と考え、まずはコンビを組もうと決めました。まわりにコンビを組めそうな人がいなかったので、ネットで見つけた「相方募集掲示板」でショーゴと出会ったのがきっかけですね。

ショーゴ: 僕は中学の頃からお笑いが好きで、高校2年生くらいから自分もお笑いができたらいいなと思っていました。だから高校卒業後は進学も就職もせずフリーターになって、当時は学生時代の友人とコンビを組み活動を始めたんです。

1~2回舞台に出たくらいのタイミングで、その相方が「彼女との時間を大事にしたい」とお笑いを突然辞めてしまって。それでも僕はお笑いが楽しかったので、諦められずに親に40万円を払ってもらってNSC(吉本興業の養成所)に入学して相方を探すことにしたんです。当時僕はトガっていたのもあって先輩とケンカしてしまい、入学して2カ月で通うのを辞めてしまいました。でも親にお金を出してもらった手前「辞めた」とは言えずに、退学した日にすぐ一緒にお笑いができる相手を探そうと「相方募集掲示板」にアクセスして、たけるを見つけました。

たけるは都内在住だったこと、年齢が近くてツッコミ希望だったことが大きいです。あと、たけるはもともと別の相方とコンビで活動していた時代があって、自分のページに、そのコンビの漫才動画をアップしていたんです。それを見たら当時のたけるの相方が緊張してめっちゃネタを飛ばしていたのをたけるが上手にさばいていて。この人はすごいな、と。あとは……声が純粋によかったこと、華があったことがたけるを選んだ理由ですかね。

たける: 僕はショーゴが連絡くれるまでの間に、その掲示板で何人かの相方候補の方と会っていました。ですが、40歳~60歳とかそもそも年齢が離れている人が多かったし、変わった人ばかりでなかなかいい人がいなかったんです。そんな時にほぼ同い年のショーゴから連絡が来たので会ってみました。初対面の印象は根暗な感じ(笑)。
相方になる人はネタを書いてくれる人がいいなと思っていたら、ショーゴはネタを書くとのことだったので、「一度舞台に出てみましょう」と伝えました。

そうして初舞台を踏んだのは9月、「年内にはオーディションを受けて事務所を決めよう」と2人で話していました。反応の悪かった事務所もありましたが、(現所属事務所の)グレープカンパニーはちょうど2~3組の芸人が抜けたタイミングだったこと、僕たちが若かったこともあって所属できることになったんです。本当に運が良かったですね。

日頃よりネタやトークを磨かれているお二人。日々の仕事や漫才への向き合い方でこだわりはありますか?

ショーゴ:  2人が良いと思ったことをやるようにしています。いい意味で力を抜くというか、自分達のアイデアだけに固執せず、いろいろな人の意見を聞いて「それもいいね」と取り入れていくくらいでないと良いネタができないと思うので。だから「漫才はこういうものだから」と考え方を固めすぎないようにしています。例えば僕たちの漫才に回文のネタがありますが、あれも回文の定義にとらわれ過ぎずに「とりあえず逆から言えばいいや」くらいの軽い気持ちでやってみましたね。

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たける: 僕は、舞台はお客さんがいて成り立つものだと考えています。台本にあることだけをやるのではなく、ある程度の形はありつつも舞台に立った時にその日その場にいるお客さんの空気に応じて「間」を変えてみたり、遊びを入れてみたりしています。そうやって柔軟に笑いを見つけていくと、ウケ方が全然違うんですよね。

ショーゴ: たけるの独特のツッコミのスタイルも、練習中に思いつきで「たけるに変なことを大きな声で言わせる」というのを何度か試していました。その後、ある日の舞台で偶然あのスタイルが生まれた感じでしたね。

たける: 幼い頃から備中神楽(岡山県の備中地方を中心とした郷土芸能)を習っていたので、その言い回しみたいなものがうっかり出たからなんですけど、それが僕たちのネタとぴったりハマってめちゃめちゃウケて「これだ!」と。そういう柔軟性は大事にしているかもしれないですね。


お二人が考える「人を楽しませる方法」の中で読者が真似できることはありますか?

たける: その場を盛り上げて雰囲気を良くしたいという意味での「人を楽しませる」なら、ずっとニコニコしていることがいいんじゃないでしょうか。笑顔の人がいれば一緒にいる相手も気分が良いし、楽しんでくれますからね。笑うことはすごく大事だと思っています。

あとは、相槌を打つこと! 相手が話しているときに黙って聞いてたら「聞いてるのかな?」って不安になってしまいますから。自分がされてうれしいことをするように、僕も心掛けています。だから先輩芸人の方の話を聞く時は、リアクションが結構でかい方だと思います(笑)。

ショーゴ: マジでプロとして人を楽しませたいと思っているのであれば、とにかくYouTubeとかSNSとかをどんどん活用していくのがいいんじゃないでしょうか。そうしたツールを使って発信し続けていれば、誰にも干渉されないで自分が面白いと思えることを発信する訓練ができますから。

もう一つ大事なのは考え方が凝り固まらないようにすることで、そのためには……「もうこれ以上思いつかない!」っていう瀬戸際まで考えて、そのギリギリのところで踏ん切りをつけて1回全部とっぱらって、ゼロベースでやってみることですかね。そうすると新しい考え方や視点が生まれる時があります。以前、先輩芸人のマツモトクラブさんに言っていただけてすごくうれしかったことなのですが、「東京ホテイソンの今のネタは偶然できたものなのかもしれないけど、でもその偶然はその前にちゃんと考え抜いたからこそできたもので、考え抜いた過程がなかったら生まれなかったよね」と。だから人を楽しませるっていうことについても、どうしたらいいのかを考え抜くことが大事だと思います。


お二人の今の生き方や考え方に影響した、一番のターニングポイントはどんなことでしょうか?

たける: ターニングポイントですか……それはもう、父の子どもになったこと、ですかね。うちの父はかなり目立ちたがり屋なタイプで、幼い頃からそんな父を見て育ったからか、僕も自然と目立ちたがり屋になりました。例えば、父は中学~高校にかけてずっと生徒会の副会長をしていたのですが「生徒会長になれなかった」ということをずっと悔しがっていて。そんな父の想いを「自分が受け継ごう!」と思って僕は高校時代、生徒会長になりました。

さらに父は、芸人になって有名になりたかったけれど、なれずに家業を継いだ経緯がありました。なので「じゃあ僕がその意志を継いで有名になろう!」と思ったのが冒頭でもお話した、モデルを目指したりお笑い芸人を目指したりしたきっかけにもつながるんです。以前、占い師の方に手相を見てもらった際に言われたんですけど、僕はめちゃめちゃ人に関する運が良いらしいんですよ。だから……きっと運が良かったからですね。でも「父の意志を継いで僕が夢を叶える!」と一歩踏み出した勇気は今につながるものかもしれませんね。

ショーゴ: 僕の場合は、今のスタイルの漫才が完成したときですね。それまでは普通の漫才をやっていたのに急にトリッキーなスタイルに変えたので最初は怖かったんですけど、自分達が面白いって思えるものをしっかりとやれば認めてもらえることが分かったので、次に進むことができました。

じゃあなんでトリッキーなスタイルに踏み込めたのか……ずっと自分達の漫才のスタイルについて考え続けていて、考えて考えて考え過ぎたある日「もう思いっきりふざけて面白いと思えるものをやってやろう!」と思えた瞬間があったんです。2016年のM-1で2回戦敗退した時くらいだったかな。そうして踏み込んでみたら、大きなライブに呼んでもらえるようになったり、劇場に来るようなコアなお客さんからの拍手をもらうことができたり、千鳥さんやマヂカルラブリーさんみたいな先輩芸人の方々から評価してもらえるようになって。自分たちがこれまでテレビで見ていたような先輩たちから「動画見てるよ」と声をかけてもらったのはうれしかったですね。

最近はじめてチャレンジできたこと、やってよかったことは?

ショーゴ: 「下半身のトレーニング」ですね。今まではどうせ見せないから、と上半身しか鍛えていなかったのですが、脚のトレーニングもするようになったらすごく気持ちいいことに気づいて。僕は片足でスクワットをゆっくり3セットやっています。「大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)」にききますよ!

実は下半身のトレーニングのほうがつらいのですが、上半身も痩せやすくなるし、今後筋トレ企画で脱ぐ……なんて機会があったら全身キマるなあ、とか考えて頑張っています。読者の方でこれから鍛えようと考えている方も上半身だけでなくて、下半身も鍛えることをおすすめします!

たける: 僕は……そうだな、小さなことでもいいですか? 番組の企画がきっかけで初挑戦した「脱毛」ですかね。番組では脚だけを脱毛したのですが、毛があるのとないのとで清潔感も生活の仕方もだいぶ変わってくるので、今後は続けて全身の脱毛をやろうかなと思っているところです。ちなみに脚はブラジリアンワックス脱毛でやったのでめちゃめちゃ痛いし、何回か続けていかないと脱毛効果がないのですが、それでもやる価値があります。一番メリットを感じたのは、短パンがはけること! これまでは脚の毛が濃いので短パンをはくことに抵抗があったんですけど、これだけ脚がキレイになったらいけるな! と思っています。足の次は……腕ですかね。腕の毛はそんなに濃くないんですけど、脚がキレイになったら妙に気になりだしたので(笑)。あとはヒゲとかもやりたいし、もういっそ全身やってみたいですね。

今後やってみたいことや野望はありますか?

たける: バラエティーだけでなく、ドラマや映画にも挑戦してみたいです! 備中神楽の経験を生かしてスーパー歌舞伎なんかもやれたらいいなぁ……とにかくいろんな分野のことができたらいいなと思っています!

ショーゴ: 僕は身体を鍛えているので、「筋トレチャンネル」とかやってみたいです(笑)。あとはコンビで好き勝手やれる番組があったらいいなと思っています!

最後に告知があればどうぞ。

東京ホテイソン オフィシャルチャンネル
TBS『ラヴィット!』(金曜日 隔週出演)
OHK『ど昼はドドっと!!』(土曜日 月2~3回出演)

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