無理にバランスを取ろうとせず、割り切れる時間を作る。大好きなキャンプを仕事にしたさくぽんさんの「ワークライフバランス」

プライベートでも仕事でもキャンプを楽しむ佐久間亮介(さくぽん)さん


ワークライフバランスが保てず、働き方に悩む人も多いのではないでしょうか。特に20代半ばになってくると、任される仕事の量も徐々に増え、プライベートがおろそかになりがちかもしれません。

さらに最近ではテレワークでプライベートと仕事の境界線があいまいになり、バランスの取りづらさを感じている人もいそうです。

今回は仕事でもプライベートでもキャンプを楽しむ、さくぽんさんにインタビュー。さくぽんさんは企業勤めをする中で体調を崩したことをきっかけに、24歳の時に会社を辞め、大好きなキャンプを仕事にします。さくぽんさんのワークライフバランスとの向き合い方を伺いました。

PROFILE

佐久間亮介(さくぽん)

佐久間亮介(さくぽん)
会社員時代の24歳の時にキャンプにハマり、ある日突然、必死に貯金した100万円を握りしめて会社を辞め、キャンプをしながら日本一周。今までに泊まったキャンプ場の数は300ヵ所以上。キャンパーのための情報ブログを共同運営したり、キャンプの講師役としてメディアに出ることも。書籍に、キャンプに関連する職業などに携わって活躍する25名を紹介した『キャンプ職業案内』などあり。
Twitter:@sakumanx ブログ:キャンプ初心者向け総合情報ブログ Hyper Camp Creators

自分の人生を楽しみたいから、大好きなキャンプを仕事にした

プライベートでも仕事でもキャンプを楽しむ佐久間亮介(さくぽん)さん。「人生の長い時間を過ごす仕事の時間を充実させることで、楽しい一生を送れるのではないか」と考え、キャンプを仕事にすることに

――さくぽんさんはプライベートと仕事のバランスに対して、どのように向き合っていますか?またバランスをとる上で悩んだことはあるでしょうか。

自分の人生を楽しむために生きたいと思っているので、仕事のために生きたいと思ったことはなく、それゆえに今の仕事(キャンプ)を目指しました。

僕は、大好きなキャンプを仕事にしており、キャンパーのためのブログを仲間と運営したり、キャンプに関する書籍を出したり、講師役としてメディアに出させていただくときもあります。

もともとはメーカーで営業マンをやっていて、その時に同僚と行ったキャンプで、初心者ながらも役割分担しながら料理を作ったりテントをたてたりする過程に「自分たちで遊びを作っていく楽しさ」や自然の中で過ごす気持ちよさを感じ、趣味としてキャンプを楽しんでいました。ただ仕事でなかなかにハードな日々を過ごし体調を崩してしまったことがありました。それが一つのきっかけとなり、仕事ってなんだろう? 働くってなんだろう? と考えるようになりました。

そこから導き出された答えは、ありがちではありますが「人生のかなり長い時間を過ごす仕事の時間を充実させることで、楽しい一生を送れるのではないか」と考えました。そこで浮かんだのがキャンプです。

そして常々思うのは、人生は1回しかないから、後悔したくないということです。そんな思いから大好きなキャンプを仕事にしようと24歳の時に奔走し、今年で7年目です。

なのでプライベートと仕事の境目を特に設けていないというのが僕の現状で、自分の大好きなキャンプと常に向き合ったり考えられたりする生活が僕は好きです。もちろんここまで来るのは決して楽ではありませんでしたが、好きだからこそ、ここまで向き合える。それを見つけられたことはとてもありがたいことです。

ただ、それでもプライベートと仕事のバランスで悩むことはあります。仕事のキャンプとプライベートのキャンプのバランスを保つことは、繁忙期の時期には特に難しいですが、その時こそ「今は稼ぎ時。ギャランティをもらっている以上はプロとして、仕事のキャンプをやり遂げることに集中しよう」と自分でマインドセットを切り替えています。その代わりに、閑散期にのんびりとプライベートキャンプを楽しませてもらって、自分のケアをしてバランスを取っています。

テレワークによる影響は? 仕事のモヤモヤがプライベートに影響することも

プライベートでも仕事でもキャンプを楽しむ佐久間亮介(さくぽん)さん。テレワークにより雑談ができないことが仕事の制作に影響。仕事でモヤモヤすると結果プライベートにも影響することになり、ライフワークバランスの難しさを感じる時はある

――最近は仕事においてテレワークが多くなってきていますが、これによりプライベートと仕事のバランスを取るうえで新たな課題は生まれたでしょうか。

プライベートと仕事のバランスというよりも仕事の中でバランスを取りづらくなったと感じる時はあり、雑談をする機会が減ったなと感じます。

僕自身、本を執筆したりブログや原稿を書いたり、何かを制作していることが多いのですが、周りもクリエイターの方が多いです。ただ四六時中、何かを制作しているのではなく、もちろん休憩することもありますし、制作で悩むこともあります。

そんなときに今までは、撮影や打ち合わせなどで直接会って雑談する機会があり、そこで他愛もない話や雑談を共有して、抱えていたモヤモヤを解消することができました。

それが今やなかなか人に会いづらいご時世。一人で悶々と作業をしていてもいいものは生まれにくい。もちろん相手の仕事の時間を奪うわけにはいきませんが、お互いにとってちょうどいいタイミングで気軽に雑談できるよう、同じ悩みを抱える仲間同士でチャットや電話などでつながろうとしています。

やはり仕事でモヤモヤがたまると気持ちの面でプライベートに多少なりとも影響はするので、結果的にはプライベートと仕事のバランスにも影響していそうです。

あとは、人と会う機会が減っていて、フリーランスとしては人と人との繋がりで新しい仕事に出会うことが多々あるので、そういう機会が減っているのは考えものです。

無理にバランスを取ろうとしない。割り切ってマインドセットを変えたり、割り切れる場所に行ったりしよう

プライベートでも仕事でもキャンプを楽しむ佐久間亮介(さくぽん)さん。仕事とプライベートは無理にバランスを取ろうとせずに、割り切って考えるのがおすすめ。割り切るために、キャンプでもぼーっと自然の中で過ごす時間を大切にしている。

―― ではあらためて、プライベートと仕事のバランスを取るために、さくぽんさんが心掛けていることを教えてください。また、それによりどんな変化があったかも教えてください。

割り切ることでしょうかね。僕の場合は特に、プライベートと仕事の境目が曖昧だからこそ、先ほどのとおり自分で意思を持って割り切っています。

もし意思が弱いという人は、割り切れる場所にいく。例えば、スマホが使えない場所(ジムやプール、サウナ、温泉など)へ行くなど。それこそアウトドアアクティビティ(例えば登山やウォーターアクティビティなど)は動くことに精一杯でスマホをいじっている余裕がありません。

それからキャンプもスマホとの距離を置きやすいですよ。電源の設備がないサイトを選べばやはり電源は限られますし、そんななかで僕はぼーっと本を読んだり、コーヒーを飲んだりして割り切れる場所・時間を作ります。スマホを見るときに顔は下を向きがちですが、キャンプ場でスマホを手放して顔をあげてみるとそこには自然豊かな景色があるはずです。そうやって強制的に線引ができる場所を探すといいかもしれません。

それに、そもそも無理にプライベートと仕事のバランスを取らないと、という意識を働かさなくていいのではないでしょうか。それこそ、例に挙げたようなアクティビティだと強制的に考えなくてよくなりますし、仕事の時間外は仕事のことを考える必要はないと思うので、肩の力を抜くのはどうでしょうか。それでもモヤモヤしてしまうのであれば、「割り切れる場所に行く」という行動に移すことを優先したほうがいいかもしれませんね。

いずれにせよ、僕のように好きなこと、得意なことを仕事にして、必要に応じてマインドセットを変えるか、あるいは、仕事と生活を完全に分けて割り切るのがよさそうです。

こうすることで、僕の場合はオンとオフがはっきりしたので、オンのときに頭がクリアになっている印象があります。うまく仕事とプライベートが分けられていなかった時は、いつまでもダラダラと仕事のことを考えてしまって、常に頭の中がいっぱいになっていることがありました。そうすると結果的に、仕事のアウトプットの質が落ちていることがありました。

オンとオフをしっかりと区切ることで、オフの最中に邪念が消えてスッキリとした心持ちで次の仕事に向き合えるようになると思いますよ。


仕事・プライベートとの向き合い方に悩んだら

一人20万円で「八ヶ岳の別荘」を購入。会社員が教える、仲間とお手頃に二拠点生活を楽しむコツ

一人20万円で「八ヶ岳の別荘」を購入。会社員が教える、仲間とお手頃に二拠点生活を楽しむコツ

▶記事を読む


住む場所が自分の幅を広げる。都心派だった内沼晋太郎さんが長野移住を経て思うキャリアのつくり方

住む場所が自分の幅を広げる。都心派だった内沼晋太郎さんが長野移住を経て思うキャリアのつくり方

▶記事を読む