このようなマルチな活動を可能にしているのは「日記」の活用の仕方がベースにあるとのこと。それをツール「Roam Research(ロームリサーチ)」に応用することで膨大なタスク管理をスマートに行えていると言います。
Q.)ゆうびんやさんのご職業と普段のお仕事内容について教えてください。
Q.)そのようなタスクを普段、どのように管理されていますか?
まず、その日に予定しているタスクを書き出しておき、あとは仕事を進めながらタスクごとにその感想やメモを書き足していきます。
これをRoam Research(ローム・リサーチ)*1というツールを使って管理しています。
Q.)Roam Researchを使うようになった最初のきっかけとは?
Q.)Roam Researchの具体的な活用方法を教えてください。
- その日のページ(デイリーページと呼びます)を作り、そこにタスクを箇条書きで書き出していきます
- タスク名の先頭にチェックボックスを付けておき、完了後にクリックするとチェックが入ります
- タスクが1つ完了するたびに、そのタスクに関するメモをそのタスクの下にぶら下げる形で書くようにしています
こうすることで、後からふり返ったときに「この日は何をしていたのか?」が分かります。
また、実行中に思いついた「次にやること」や「課題に感じたこと」も合わせて書いておくようにしています。「次にやること」を思いついても、その場で実行できないことが多いのでいったんメモに預けることで、後からタスクとして回収します。「課題に感じたこと」についても、すぐに解決策が思い浮かばなければ、まずは書き残しておくことで安心できます。
以下が、実際の画面サンプルです。
こうして、その日のすべてのタスクとその実行後のメモを都度デイリーページに書き込んでいきます。
以下は1日の終わりの画面サンプルです。
ところどころ区切り線(「LunchTime」、「↑AM/PM↓」、「↓Home」)を入れていますが、これによってそれぞれのタスクをどのタイミングで取り組むのかが視覚的に把握できます。「LunchTime」と「↑AM/PM↓」の間および「↓Home」より下は個人的な活動にまつわるタスクです。
このように仕事と個人的な活動を一箇所で管理することで、「ここに書いてあることさえやればOK」という安心感が得られ、仕事はもちろん、プライベートでも「やり忘れ」も減りました。
今回ご紹介したようなデイリーページでタスク管理を行う方法は、Roam Researchでなくても、別のアプリやバレットジャーナルでも対応できるかもしれません。
それでも私がRoam Researchを愛用している理由は強力なリンク機能があるからです。
以下の画面は「Aくん」(メンバーの名前)という文字列にリンクが張られている様子です。
この「Aくん」をクリックすると、以下の画面のように右側に「Aくん」に関する情報(Roam Research上の別のページ)が表示されます。
さらに、これまでのメモの中で「Aくん」に言及した日があれば、同じ画面内でその言及内容を確認できます。
以下の画面では、先ほどの「Aくん」に関する情報のすぐ下にこれまでの言及内容が一覧で表示されています。
例えば、Aくんと個人面談をする際に、事前にAくんに関する言及内容を読み返しておくことでより密度の濃いやり取りをスマートに行うことができます。
ちょうど、ウィキペディアのように関連するキーワード同士をリンクしておくことで、残した記録を後から活用することができるわけです。
Roam Researchはウェブブラウザ上で動くツールのため、パソコンでの使用が中心ですが、最近アプリ版もリリースされたので、スマホからも使えるようになりました。
Q.)Roam Researchが仕事にもたらした変化や影響について教えてください。
Roam Researchを導入することで、今回ご紹介したように検索やリンクを介して自分でもすっかり忘れていたメモに再会できることが増えています。
例えば、ある実験に取り組もうとしたときに、Roam Researchでその実験の名前で検索すれば、その実験に関するこれまでの記録をざっとふり返ることができます。
さらに、実験の名前の部分をリンクにしておけば、ワンクリックで関連する記録の一覧がズラッと表示されます。
あるいは、分かっているようで分かっていない「自分自身」のことについてもRoam Researchに記録を残すようにしています。
例えば「なるほど」「うれしい」などをリンクにすると、自分がどんな時にそうした感情を持つのかが分かります。
私はRoam Research中で「うれしい」という言葉を「予想外」「評価」「喜んでもらえた」などの言葉と一緒に使っていました。
つまり「うれしい」感情は自分がメインではないのです。だからこそ「うれしい」はごほうびみたいなものなのだと腑に落ちました。当たり前のことのようですが、自分なりに納得できたのは大きかったと思います。
このように自分が使う言葉を記録を通してふり返ることで、自分自身の理解が進みます。
それによって、会社内でのコミュニケーション改善にも役に立っていると感じています。
仕事を効率化するツールが知りたい
お話を伺った方
*1:2020年に米国でリリースされたノートアプリ