今や趣味は生きていくうえで欠かせない存在になりつつありますが、昨今の環境の移り変わりを受け、趣味との付き合い方にも変化が生まれていそうです。「集まれなくても、趣味を通じた仲間との交流からパワーをもらっている」と語る華子さんに、趣味との付き合い方の変化を伺いました。
仕事にも慣れが出てきた頃に「新しく何かしたい」と思いベリーダンスを始めた
Q.)華子さんの趣味活動について教えてください。
ベリーダンスを始めたきっかけは、6年前の年末に「何か新しいことをやりたい」と感じたこと。当時は仕事にも慣れが出てきた頃で、それなりに充足感はあったものの「このままでいいのかな」「成長できてるのかな」という焦燥感にも似た気持ちがありました。仕事以外の場所でも成長している実感がほしくなったというか、もう少し自分を高めていきたい、新しいものを吸収していきたいと思い、プライベートを充実させてみようと思ったのがきっかけだったと記憶しています。
バレエは経験があったので、ほかにも何か踊りをやってみたいなと思っていろいろ調べました。その中でも、しなやかな体作りを謳っている教室の多いベリーダンスに惹かれ、通いやすく初心者も受け入れてるところを検索し、会社近くの教室に通い始めました。
コロナ禍の前は週に一度のスタジオでの練習が基本で、レストランショーや発表会などのイベント前は週に3、4日練習をする時もありました。早朝や深夜帯の時間も含め細かくスケジュールを調整して、自主練をするのは大変でしたが、チームメイトと一緒に一つの目標に向かって頑張る楽しさややりがいを感じられました。
その教室はコロナ禍で集まることが難しくなり、今は一時休止中です。その代わり、近所のジムでやっているスクールに通い、ベリーダンスを続けています。
趣味は生きるためのパワーを与えてくれたり、考え方を広げてくれたりするもの
Q.)今の華子さんにとって趣味はどんな位置づけでしょうか。以前との変化とあわせて教えてください。
先ほどもお話したように教室は今休止していて、その間にみんなのライフステージも変わりました。先生には子どもが生まれ、メンバーの中には仕事が忙しくなった人、ほかの趣味を頑張る人もいて。それでもやりとりは続いていて、先生はこの先のことを長い目で見て「またいつか集まれるようになったら集まろう」と言ってくれています。コロナ禍を受けてあらためて自覚したのは、今は集まれなくても、趣味を通じて出会った仲間との交流からも明日を生きるためのパワーをもらっているということです。
また、特にベリーダンスは仕事への良い影響をもたらしてくれている存在でもあります。ベリーダンスって起源や流派がたくさんあって、正解がないものなんです。だから「自分はどういう踊りをしたいのか」を考えて自分で正解を探しに行くという側面があって。正解がないものに対する視野が広がったというか、仕事のつらい局面で生きる考え方が得られたのかなと思っています。例えば相手に言いたいことがうまく伝わらない時、頭ごなしに「なんで伝わらないんだろう」ではなくちょっと引いてみる心の余裕を持てるようになったのも、ベリーダンスのおかげかもしれません。
趣味活動を公言することで仕事もしやすくなる
Q.)社会人は仕事とのバランスを考えることが多そうです。趣味と仕事を両立するうえで工夫していることを教えてください。
大事な仕事の予定とレッスンの予定が重なったらどうしても仕事を取らざるをえませんが、趣味の活動を理解してもらうことで、両立しやすくなる面もあると感じています。例えばショーの直前に外せない取材や撮影があれば、ベリーダンスの荷物が入ったキャリーケースを引いていくこともあります。
同僚やクライアントさんにショーを見に来てもらったことも。クライアントさんと一緒にステージで踊ったのは良い思い出。会社の人も趣味を応援してくれて、仕事関係の人との交流を深めるきっかけにもなるのはありがたいですね。
趣味を通じて自分のことを知れる
Q.)そのほか、趣味に関することで以前と比べて変わったことがあれば教えてください。
それは他の趣味に関しても同じです。将棋の歴史を調べたり、昔の棋士の先生の書物を読んだり。フィンランドにおけるサウナの位置付けや歴史の背景を調べたり。大昔の食器を手直ししながらずっと使い続けるという金継ぎの精神に思いを馳せたり。そういったスピリットや、先人の息遣いに惹かれて、趣味にのめり込むことが多いなと気づきました。スピリットを探求するのはコロナ禍に関係なく一人でもできることですし、時代は変われど普遍的な何かを得ることができます。今はそういう側面からも趣味を楽しんでいます。
(MEETS CAREER編集部)
いろんな人の「趣味」や「好きなこと」との付き合い方
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