慢性的な疲労の原因は「脳」だった! 今すぐできる改善方法も解説―医学博士・片野秀樹の疲労抑制シリーズ(1/4)

慢性的な疲労の原因は「脳」だった! 今すぐできる改善方法も解説―医学博士・片野秀樹の疲労抑制シリーズ


「しっかり寝ているのに疲れが取れない」
「仕事中に集中力が続かない」

そんな悩みを感じていませんか?

その原因は、単なる睡眠不足ではなく、脳の疲労や自律神経の乱れにある可能性があります。以前『日本のビジネスパーソンは“正しい休み方”を知らない。仕事のパフォーマンスを爆発的に上げるための「攻めの休養」』でインタビューにお応えいただいた片野秀樹さんに、現代のビジネスパーソンに増えている「現代型疲労」の仕組みを分かりやすく解説していただきました。

▼マイナビ転職公式YouTubeチャンネルの動画を基に作成しています。全編ご覧になりたい方はこちらから!

片野秀樹(かたの・ひでき)
片野秀樹(かたの・ひでき)医学博士。一般社団法人日本リカバリー協会代表理事。株式会社ベネクス執行役員。一般財団法人博慈会老人病研究所客員研究員、日本疲労学会評議員などを務める。医学的なエビデンスに基づいた休養を提唱。日本人が抱える疲れの正体を解き明かし、科学的なリカバリー(回復)メソッドを精力的に発信している。
著書『あなたを疲れから救う 休養学』『毎日がんばるあなたのための 疲労学』等。

「寝ても疲れが取れない」はなぜ? “現代型疲労”と脳のメカニズム

こんにちは、医学博士の片野秀樹です。

「毎日、なんだか疲れが抜けない……」そんなふうに感じている方、多いのではないでしょうか。

実はその疲労、脳のメカニズムが大きく関係している可能性があります。今回は、休んでも回復しづらい「現代型疲労」の正体と、その対処法についてお話しします。

最初に、ひとつ常識を疑ってみてください。それは「寝れば疲れは回復する」という考え方です。

もちろん、睡眠が大切なのは間違いありません。ただし現代においては、この常識は半分正解で半分間違いです。

例えば、こんな経験ありませんか?

・週末にたっぷり寝たのに、月曜日は体が重い
・休んだはずなのにスッキリしない

これは単なる睡眠不足ではなく、自律神経の乱れが原因かもしれません。

現代型疲労
出典:マイナビ転職【公式】-YouTube

現代人の疲れは「脳の疲れ」が8割以上

昔の疲労は肉体労働によるものが中心でした。しかし今は違います。

現代人の疲労の多くは、

・デスクワーク
・スマホ
・情報過多

による脳の疲れ(中枢性疲労)です。

私たちの脳は、常に膨大な情報を処理しています。例えばパソコンを長時間使い続けると……

・動作が遅くなる
・フリーズする

といった状態になりますよね。

実は脳も同じです。多くの情報を処理しきれなくなることで、疲労が蓄積していくのです。

疲労を加速させる「マルチタスク」の罠

自律神経には2種類あります。

交感神経(活動モード)=アクセル:日中活動するときに働く
副交感神経(リラックスモード)=ブレーキ:休息やリラックスをするときに働く

本来はこの2つがバランスよく働いています。しかし、これが乱れてしまうと以下の状態に。

・寝るべき時に頭が冴える(アクセルON)
・朝に体が重くて動けない
・体温がうまく下がらない

つまり、ブレーキを踏んでいるのにエンジンが止まらない状態になります。

疲労の大きな原因となるのがマルチタスクです。

よくある例がこちら。

・資料を作りながらチャットに即返信
・会議中にメール対応

こういった状態が続くと、脳の処理が追いつかなくなります。

ここで怖いのが、「疲労感」と「パフォーマンス低下」の認識がズレること。実際は能力が落ちているのに、本人は気づかず動き続けてしまう。その結果、「ある日突然動けなくなる(燃え尽き)」というリスクにつながる可能性があります。

現代型疲労から抜け出す「DRICS理論」

ここでおすすめなのが、疲労対策のフレームワーク「DRICS理論」です。

DRICS理論
出典:マイナビ転職【公式】-YouTube

1.D:Distance(距離をとる)

ストレスから離れること。

・デスクから離れて歩く
・窓の外を見る
・作業を一旦中断する

物理的・心理的な距離を取ることで疲労抑制しやすくなります。


2.R:Reset(リセット)

ストレスを引きずらない。

・一度気持ちを切る
・作業や思考をリセットする

ゲームでリセットボタンを押す感覚ですね。


3.I:Interest(興味に変える)

嫌な作業をそのままやらない。

・タイムアタック形式にする
・ゲーム感覚を取り入れる

「やらされている」から「やってみたい」へ。


4.C:Control(主導権を持つ)

自分で決めることが大事。

・やり方を工夫する
・自分のアイデアを提案する

「指示されるだけ」より、ストレスは大きく減ります。


5.S:Space(余白を作る)

意識的に休む時間をつくる。

・スケジュールに余白を入れる
・効率的に休憩を取る

回復のための“スペース”が必要です。


まとめ:疲労は「脳からのサイン」

今回のポイントをまとめます。

・現代の疲労は「脳の疲れ」が中心
・寝るだけでは回復できないケースが増えている
・自律神経のバランスが重要
・マルチタスクが疲労を加速させる
・DRICSで疲労をコントロールする

疲労は「気のせい」ではなく、脳からの重要なサインです。「おかしいな」と感じたら、無理に頑張るのではなく、いったん次のために休む。今回の方法をぜひ取り入れてみてください。


制作:マイナビ転職編集部


【出典】
【医学博士・片野秀樹】「現代型疲労」の正体/しっかり寝ても体が重い理由/デスクワークによる慢性的な疲労の解消方法/マルチタスクの罠/疲労対策「DRICS理論」/働く人の回復術
https://www.youtube.com/watch?v=QB3wLXYBvdw?src=mtc_in

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