
仕事のことが頭から離れず、休日も気が休まらない――そんな状態に心当たりはありませんか?
第1回、第2回では、“脳疲労”や“生産性を高める習慣”について解説してきました。今回はその応用編として、ストレスを溜め込まないための思考の整え方と、オン・オフを切り替える技術に焦点を当てます。
医学博士・片野秀樹さんが、多くの人が抱えがちな「現代型疲労のお悩み」に答える形で解説していきます。

著書『あなたを疲れから救う 休養学』『毎日がんばるあなたのための 疲労学』等。
- 休日も仕事が頭から離れない人へ
- 【お悩み1】周りに気を使いすぎて疲れる
- 【お悩み2】休み中も仕事のことが離れず、休んだ気にならない
- 【お悩み3】オンとオフが切り替えられない
- 【お悩み4】繁忙期に疲労でパフォーマンスが落ちてしまう
- まとめ:疲れにくさは「考え方」で変わる
休日も仕事が頭から離れない人へ
こんにちは、医学博士の片野秀樹です。現代のストレスフルな生活のなかで、「しっかり休んでいるはずなのに休めていない」といった悩みを抱えている方は、非常に多いと感じます。
今回は、そうしたお悩みに対するヒントとして、疲れと向き合うための考え方と日常での具体的な工夫についてお話ししていきます。
【お悩み1】周りに気を使いすぎて疲れる
◆想定内に収めることで、ストレスは軽減できる仕事をしていると、気を使いすぎてどっと疲れてしまうことがありますよね。
この時に重要なのが、ある程度「予測した状態」で日常を過ごすことです。
例えば、
- 上司の機嫌が悪そう
- 少し厳しい指摘が入りそう
- ストレスのかかる場面になりそう
など。
こうした状況を事前に想定しておくと、実際にその出来事が起きた時のショックは小さくなります。
これは「想定内」にしておくことがストレス軽減につながるという考え方です。逆に、予想外の出来事はストレスを大きく増幅させます。だからこそ、「ある程度の幅で予測しておく」ことが大切なのです。
◆相手の「期待値」を理解すると疲れにくくなる
職場でよくあるのが、
- ちゃんとやっているのに評価されない
- サボっていると思われている気がする
こうしたストレスです。
この原因の1つが、相手の期待値が見えていないことです。相手の期待値が分からないと、どこまでやればいいのか分からず、常に気を使い続けてしまう状態になります。
一方で、相手が求めているレベルが明確になっていれば、そこに達しているかどうかで自己判断できるので、無駄なストレスを感じる必要がなくなります。
- 期待値を事前に確認する
- その期待値を基準に行動する
これだけで、精神的な負担は大きく軽減されます。
【お悩み2】休み中も仕事のことが離れず、休んだ気にならない
◆休んでも疲れが取れない理由は「切り離し不足」「家に帰っても仕事のことが頭から離れない」
「休日なのにずっと仕事を考えてしまう」
このような状態の方は多いと思います。
この時に重要なのが、サイコロジカル・ディタッチメント(心理的分離)です。簡単に言うとストレス源を一度「切り離す」ことですね。ストレスを抱えたまま休んでも脳はしっかりと休息モードに入らないため、回復もしっかりできないのです。

では、どうすれば切り離せるのか?
最も有効なのは、何かに没入することです。
例えば、
- 趣味に集中する
- 好きなことをする
- 大切な人と過ごす
こうした時間は、自然と仕事のことを忘れていますよね。つまり「何かに夢中になる状態」を意図的につくることが、心理的なリセットにつながっていく。ストレスを抱え続けるのではなく、意識的に切り替える習慣を持つことが大事です。
【お悩み3】オンとオフが切り替えられない
◆それまでの行動を一度リセットしてみるオンとオフの切り替え方法は人それぞれ異なり、正解は1つではありません。
ただ1つのヒントとして私自身がよくやっている方法をお伝えすると、「視点を変える」こと。具体的には、
- 外の景色を見る
- 電車の広告を見る
- 周囲の人の様子を観察する
これらの行動は、なにげない情報を脳に入れる作用があります。思考の流れを一度オフにするんですね。今までの連続した思考や情報を断ち切ることで、自然とスイッチが切り替わってくれるのです。
【お悩み4】繁忙期に疲労でパフォーマンスが落ちてしまう
◆「大事の前こそ休む」オフファーストの考え方疲労とは、「活動能力が低下している状態」です。この状態では、本来のパフォーマンスは発揮できません。大きなプロジェクトや繁忙期を控えているタイミングほど重要になるのは、その前にしっかり休んでおくこと、つまり“オフファースト”です。
スマホの充電に置き換えて考えてみましょう。朝、スマホの充電が10%しかなかったらどうでしょうか? その状態で、1日スマホを使い続けるのは難しいですよね。私たちの体もこれとまったく同じなのです。
バッテリー10%で仕事をするのか、100%の状態で臨むのか。パフォーマンスに大きな差が出るのは当然です。
更に大切なのは、一度回復するだけではなく、高い状態を維持することです。そのためには、
- 事前にしっかり休む
- 合間に余白を作る
- マイペースを意識する
といった習慣が必要になります。
繁忙期や大きなプロジェクトほど、「どう乗り切るか」ではなく「どう整えるか」が大切になってきます。

まとめ:疲れにくさは「考え方」で変わる
今回お伝えしたポイントをまとめると、- 予測してストレスを軽減する
- 相手の期待値を把握する
- ストレスは意識的に切り離す
- 没入でリセットする
- オフファーストで大事に備える
これらはすべて、疲れにくい状態をつくるための考え方です。働き方そのものを大きく変えなくても、意識・伝え方・環境を少し変えるだけで、疲れの溜まり方や回復スピードは大きく変わります。
ぜひ、日常で少しずつ取り入れてみてください。
※本記事は、「疲労抑制シリーズ」の第3回です。過去の連載はこちら⇒【第1回】/【第2回】
制作:マイナビ転職編集部
【出典】
【医学博士・片野秀樹】「疲れ」「しんどい」のお悩み相談/生産性を下げないストレスからの回復力/休日も「仕事」が頭から離れない理由/周りに気を使いすぎて疲れる
https://www.youtube.com/watch?v=_iIJBcMwPmI?src=mtc_in
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