ボーナスがいい仕事に転職したい!そんな人が注意すべき落とし穴

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(漫画:も~ ヤメコミ! byマイナビ転職「基本的にはよ辞めたいと思っていた日々の話」

12月はボーナスの月。ボーナスが入ると、やはりうれしいものですよね。ボーナスが入ったら前々からほしかったものを買える!という方もいれば、思ったより額が少なくモチベーションが下がってしまった、あるいはもともとボーナスがないという方もいると思います。

そんなボーナスですが、実は転職では「盲点」になりやすい点でもあります。年収アップを目指して転職したのに、基本給の額はチェックしていたけれどボーナスの額、支給基準、支給頻度はチェックしていなかった。だから、意外に年収が上がらなかった。そんな残念な声を、聞くことも。

実際にマイナビ転職の「転職による年収アップの実態調査」では、転職時に基本給をチェックした人は7割ですが、賞与の額や回数をチェックした人は3割に留まり、入社後に賞与の額や回数でギャップを感じている人が1割いる状況です。


そこで「ボーナスのいい仕事に転職したい」と思った時には、どのような点に注意すればいいのか。キャリアコンサルタントの、林碧先生にお伺いしました。

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キャリア・コンサルタント

林 碧(はやし みどり)
株式会社キャリアイズ 代表取締役社長、国家資格キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング技能士2級、両立支援コーディネーター。 企業人事経験および個別相談対応経験を活かし就職・転職の相談からライフキャリアビジョン構築、育児・傷病など個別事情との両立まで、幅広い相談に対応。通算4000件以上の個別面談実績、年100件以上の研修登壇実績を保有。特に若年層のキャリア形成支援を得意とし、大学での登壇実績が豊富である他、企業向けの育成者研修や若手定着支援、人材コンサルティングも実施。日経Xwomanアンバサダー。小学生・保育園児の2児の母。

募集要項やWEB情報を確認してみましょう

ボーナスの金額や頻度などの条件は、企業により異なりますが、実態を知るにはどうしたら良いのか、悩ましく思う方も、多いかもしれません。確認の仕方や注意するべきことなど、順に見ていきましょう。

賞与(ボーナス)をはじめとした給与に関する条件を確認するにあたって、まずは募集要項を把握するといいでしょう。企業が掲載している求人情報には給与額面のほか、賞与の有無・回数、直近の支給実績などの情報が記載されています。

自身で求人を探す場合、その企業の採用ページや採用媒体には募集要項の掲示があるかと思います。必ず確認しておくようにしましょう。また、ハローワークやエージェントを経由する際にも求人票が用意されており、その内容を確認すると賞与の有無や頻度についても情報を得ることが可能です。

公示されている情報では賞与の詳細がわからないという場合、口コミサイト等の情報を確認すると賞与支給の詳細が見えてくるケースもあります。あくまで個人の私感で記載されていることや在籍時期が直近ではない可能性なども考慮する必要はありますが、応募前に情報を得たい場合は1つの情報源として活用することも可能でしょう。

ボーナス=メリットとも限らないのはお忘れなく

一方で気をつけていただきたいのは、賞与があることは必ずしもメリットとは限らないということです。企業の中には、ボーナス支給をしない代わりに月額基本給与を高く設定している企業や福利厚生を手厚くしている企業もありますし、あるいは年俸制を導入している企業の場合は賞与の設定がないケースもあります。賞与がない=手取りが小さいとは一概にいえないという部分は、まずは押さえておきたいところです。

加えて、賞与も給与同様に労働の対価として支払われるものではありますが、企業にとって法律上の支給義務がありません。企業の立場から言うなれば、状況に応じて金額を改定することや不支給とすることが月額給与に比べ容易であるとの側面もあり、月額基本給よりも不安定で不確実な存在といえるのです。

また、賞与については固定賞与と業績賞与があるので、そこも認識しておくと良いでしょう。

固定賞与は一定の支給金額があらかじめ決定されているのに対し、業績賞与は個人や企業の業績に応じて支給の有無や金額変動があります。会社の決算時期に支給される決算賞与のほか、個人やチームの業績に応じて支給される業績連動賞与(インセンティブ)がこちらに該当します。

業績賞与とは成果主義の賞与体系であり、頑張りが給与に跳ね返り、モチベーションにつながる効果がある一方で、業績が下がると減額されたり支給がなくなったりするというリスクもあります。

例えば、前年多額の賞与が支給されていた場合も、その賞与が業績賞与であるならば、会社の業績が落ちると翌年は支給されなくなる可能性があるということ。あるいは年収が魅力的に見えたとしてもそれが業績賞与であるインセンティブを含んでいた場合、業績未達の場合はその年収とは大きく異なる手取りになってしまう可能性もあります。

以上のことから、年間の収入想定が同額であれば、ボーナス支給より基本給にて全額を支払う企業の方が、その金額が支払われる可能性が高いということができ、必ずしも賞与=良いものとは言い切れないのです。

事前に自身の意向を伝えておくとスムーズです

とはいえ、月収が同額ならば賞与支給があった方が手取りは増えるのも事実。月給同額程度で賞与がある企業への就職を希望したい、という意向の方も多くいらっしゃることでしょう。

昨今、転職にあたっても様々なツールがありますが、もしエージェント等を活用する場合は、月給の希望をお伝えする際、賞与の支給を期待していることや年収向上を期待していることを事前に伝えておくと、それも踏まえた企業をご紹介いただける可能性が上がるでしょう。事前に希望を伝えてあるのであれば、エージェントに対して賞与の有無や金額の確認も行いやすくなるはずです。

直接自分で探した企業に応募する場合も、履歴書の希望給与等に、あらかじめ賞与期待額を加味した希望年収を記載しましょう。例えば「希望月収:月額●●万円以上(賞与●ヶ月分を想定)」というように明記しておくのも1つの方法です。その後の条件のすりあわせが行いやすくなります。

面接時の確認は、一番正確な情報を獲得できます

一番正確な情報を確認できるのは、やはり面接時。企業に直接確認するのが情報の質という意味で最も情報の質が高いのは間違いありません。面接時に確認する場合のタイミングは大きく2つ。初回の面接のタイミングと、内定後のタイミングです。

初回面接のタイミングで聴く際には、認識を実態とそろえた上で選考に臨みたい、との前提のもと質問するといいでしょう。

「あらかじめ貴社で働くイメージを持った上で選考に参加したいので質問させていただきますが、貴社では賞与の支給はあるのでしょうか」
「事前に掲示された情報では把握しきれなかった為、確認をしておきたいのですが、貴社の賞与は固定賞与でしょうか業績賞与でしょうか」
「賞与の支給があると募集要項に記載ありましたが、こちらは何ヶ月分程支給されているのか、事前にお伺いしておくことは可能でしょうか」

などの質問にてご確認できるといいでしょう。確認をする際、雇用条件ばかりを気にしている印象を与えてしまうと、マイナスイメージになりかねません。仕事の内容についての質問と併せて、働くイメージを高める為に企業側にお伺いできると良いかと思います。

内定後のタイミングの場合は、オファーを受けるにあたっての判断材料としてお伺いできるといいでしょう。

「想定年収を確認したくお伺いいたしますが、貴社の賞与の支給実績はどれほどかお伺いしてもよろしいでしょうか」
「貴社の提示年収を拝見すると、業績賞与の支給もあるようなのですが、こちらは確実に支給されるものでしょうか。あるいは支給条件などはあるのでしょうか」

など、踏み込んだ質問もしやすいタイミングになってきます。
いずれの場合も横柄になることなく、働き方のイメージを固めてから就業することで、長く勤続したいからこその質問であるとの立ち位置を取ってお伺いすることが、欲しい情報を得ることにつながるでしょう。

条件のみならず、働きがいや今後のライフビジョンも見通した選択を

大前提として忘れないでいただきたいのは、どんなに収入面での条件が良い企業であっても、それだけで働き続けるのは容易ではないということです。自身の強みや興味を踏まえない転職であれば長続きすることは難しく、結果的に求めている収入を得続けることは困難になってしまうでしょう。また、目先の収入だけで就職を決定しようとするのも危険です。

長期視点に立って、今後の人生を想像したときに長く働けそうな環境や、自分の理想とする働き方につながっていきそうな企業を選ぶことも重要です。勿論、働く対価である給与・賞与は大事なポイントではありますが、それだけではなく、様々な角度から仕事を吟味し、就職先を検討してみてくださいね。あなたにとってこの転職が、素敵な転機となることを願っています。


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