
冬のボーナス、額面を見てため息……。そんな経験はありませんか?
そろそろボーナス支給の季節。毎年このシーズンになると公務員のボーナス平均支給額などが公表され、日頃の成果を実感したり、働きに見合う額ではないとがっかりしたり、さまざまな思いが行き交うことでしょう。
マイナビの調査によるとボーナス額がきっかけで、転職を考える人もいるそう。ボーナスが年収に及ぼす影響は少なくないので、「次こそボーナスのいい企業に」となるのも無理はありません。しかし、「ボーナスありき」で転職してしまうと思わぬ落とし穴があるので、注意が必要です。
そこで、今回はボーナスの支給実態や職種別の支給割合や、転職で後悔しないための3つのポイントを解説します。
「ボーナス支給あり」の割合は約8割。支給回数や額はまちまち
2025年11月時点、マイナビ転職に掲載されている正社員の求人のなかで、「ボーナス(賞与あり)」の求人は82.7%。年2回以上支給される企業は79.5%となっています。
職種別に見ると「営業(82.5%)」「建築・土木(85.3%)」「技能工・設備・配送・農林水産(86.5%)」「管理・事務(82.2%)」「ITエンジニア(78.9%)」など職種によってボーナス支給率には差がある様子。また、支給額についても「賞与5ヶ月以上」は9.8%に留まり、支給頻度、支給額ともに、企業によってまちまちであるようです。

ボーナスのいい会社に転職したい時の注意点
このような実態や2025年冬ボーナスの自身の支給額を踏まえ、ボーナスのいい会社に転職したいと思う方もいるでしょう。しかし、ボーナスだけを理由に転職すると後悔することもあります。注意したいポイントを3つご紹介するので、チェックしてみてください。
1. ボーナスの支給基準が現在と同じとは限らない
先に見たように、ボーナスは額や回数だけでなく、支給基準も会社によってバラバラです。例:
・個人の成績で決まる会社
・会社全体の業績で決まる会社
・業績次第で「支給なし」になる会社
これまで経験した会社のボーナスの頻度や額、支給基準と同等のものが用意されているとは限りません。思い込みで進めず、必ず求人票や先輩の口コミ、面接などを通して実態を確認し、入社してから「思っていたのと違う」と後悔することのないようにしましょう。
2. ボーナスがいい=待遇がいいとは限らない?
ボーナスは年収の一部にすぎません。年収の内訳を見ると、・基本給(月給)で他社と差別化するために、ボーナスを低めにすることで基本給を高く設定しているケース
・人経費の固定額を抑えるために月給は低めにし、その代わりボーナスを手厚くしているケース
などさまざまで、ボーナスがない、あるいはボーナスが少ないから年収も低いとは限らないのです。
よって、まずは月給やボーナス、各種手当などを含めた「総年収額」が自身の望む年収額とマッチしているか確認することが大切です。次に、企業の給与方針が自身にマッチしているかを確認しましょう。
一概には言えませんが、ボーナスなどは比較的市況や経営状況などに左右されやすいのに対し、基本給は外部状況に変化があってもそうそうカットされることはない点、また、時間外手当など基本給をもとに算出される手当があることから、少しでも収入を増やせる可能性を求めてボーナスが低くても基本給の水準が高い方を選ぶという考え方もあります。
一方、年収以外の観点で、ボーナスがモチベーションになるタイプの方は、最低限の年収基準をクリアしているなら、基本給が低めでもボーナスの比率が高い企業が合っているかもしれません。ご自身の価値観に合わせて選びましょう。
ちなみに、このように支給基準や支給額に差が出るのはボーナスに限ったことではなく、役職手当や地域手当、住宅手当など、さまざまな手当にも同様のことが言えます。
マイナビ転職『転職による年収アップの実態調査』*1によると、入社後に給与面で想定とギャップがあったものとして、基本給やボーナスだけでなく「昇給制度」「通勤手当」などさまざまなものに票が入りました。「今の勤め先にある手当は当然にある」と無意識に見過ごさないよう、現在の給与明細と転職先の給与条件をよくよく照らし合わせてみることが重要なようです。

3. 転職前、面接でボーナスの実態をどう確認する?
このように転職を検討するなら転職先のボーナス実態について入念に調べることが重要なわけですが、求人票などに詳細な記載がなく、実態が分からないというケースもあるでしょう。その場合は面接で直接面接官に尋ねるか、転職エージェントを利用している場合はエージェントを通して応募先に確認するか、ということになります。とはいえ、年収にかかわる話は「待遇ありきの転職とネガティブに捉えられるのでは」と心配する声もよく聞くところ。では実際の面接では、どのように尋ねるのが良いのでしょうか。
ポイントは「タイミング」と「聞き方」。面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたとき、仕事内容の質問をした後にこう聞いてみましょう。
・「長く働いていくことを考えて、給与面も事前に確認したいのですが、賞与の評価基準や支給タイミングについて教えていただけますか?」
・「過去数年の平均支給実績を伺うことは可能でしょうか?」
大前提、「もしご縁があり入社させていただけるようになったら、ご期待に沿えるよう、しっかり貢献してまいります。」といったように、仕事への意欲や長く務める前向きな姿勢を伝えながら尋ねると、印象も良くなります。
給与は生活に直結する部分ですので、仮に詳細を確認する前に内定を得られていても、「聞きづらいから」と曖昧なまま入社することはおすすめしません。他の労働条件と合わせて疑問や不安点を解消し、納得したうえで入社することが大切です。
まとめ
今回の記事ではボーナスの実態と、ボーナスをきっかけに転職する際の留意点をお伝えしました。最後に、ボーナスについて考えるにあたって大切なことをもう一つ。ボーナスはたくさん入ればうれしいものですが、仕事の満足度やモチベーションは、給与やボーナス以外にもさまざまな要素が影響しています。給与はもちろん
・能力を生かせる仕事内容であること
・「役に立てた」という喜びがあること
・自身のスキルアップにつながること
・成長実感を得られること
・価値観の合う人と切磋琢磨できること
・理想のワーク・ライフバランスを実現できる範囲内の勤務時間であること
こうした要素も含めて、自分にとって「働きやすい会社」を選ぶことが、長く働き続けるためには大切です。そのなかでボーナスの重要性はどの程度か、まずは位置づけを確認し、総合的に満足度の高い環境・仕事に従事することが、長く働くという観点で重要でもあります。
ボーナスをきっかけの一つに、自身の仕事の価値観を改めて整理してみてはいかがでしょうか。
制作:マイナビ転職編集部/国家資格キャリアコンサルタント 本城奈々子
*1:転職による年収アップの実態調査https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/20/?src=mtc_in