直近1年以内に転職した20・30代正社員の半数以上が生成AIを活用。年収1000万円以上では生成AI活用率が約9割に

マイナビ転職が直近1年以内に転職した正社員700名に聞いた、「転職者の生成AI活用に関する実態調査」。調査によると、生成AIのビジネスシーンでの活用実態、生成AIの活用メリット・デメリット、生成AI活用スキルと年収の関係、転職活動中の生成AIの活用実態などが明らかになりました。

直近1年以内に転職した20・30代正社員の半数超が生成AIを活用。年収1000万円以上では生成AI活用率が約9割に

直近1年以内に転職した正社員に生成AIの活用状況を聞いたところ、「活用している(46.7%)」は約半数となりました。年代別でみると、20代は53.7%、30代は61.7%である一方、40代・50代では約3割に留まっており、年代によって差が見られます。

年収別でみると、年収1000万円以上では90.7%が生成AIを活用している結果となった。年収が上がるにつれ、生成AI活用者の割合は増加傾向がみられており、年収と生成AIの活用状況には一定の関係性があると考えることができます。

生成AIの活用状況

職場で「生成AIの活用を推奨されている」は4割弱。職種によって差。

職場での推奨・活用状況については、「生成AIの活用を推奨されている・計」の回答は4割弱。ただし、職種によって傾向の差が顕著で、「人事・労務」「ITエンジニア」「経営企画・広報・マーケティング系」は「推奨されている」が多数派となりました。

職種によっては生成AIを活用して業務にあたる光景が日常となっており、転職時に生成AI活用スキルを問われるようになっていくことも考えられます。一方で、生成AIの活用に慎重姿勢の企業も一定数あり、企業と求職者双方が温度感のずれがないか確認していくことがミスマッチ防止の観点から重要と思われます。

現在の職場での推奨状況

生成AIの活用シーン「メール作成」「報告書作成」「情報収集・要約」がトップに。

生成AIの用途を聞くと「メール作成」がトップで半数近くにのぼりました。ほか、「報告書作成」などのアウトプット作成系、「情報収集・要約」など、判断にあたって必要な情報の把握などを効率化、アシストするツールとしても多く活用されています。

生成AIの用途

生成AI活用のメリットは「効率が上がった」「相談ができる」など。デメリットは「誤りや曖昧な表現があり最終的な確認に手間がかかる」

生成AI活用のメリットについて聞いたところ、「発想の幅が広がった」が62.2%で最も多く、次いで「精神的なゆとりの向上(62.0%)」「業務効率が向上した(60.4%)」と続きました。活用によって業務の生産性が向上などの実利だけでなく「精神的なゆとり」「アウトプットの質」など、個人のメンタル面の負荷軽減にも一役買っている様子がうかがえます。

また、「生成AIがあって良かったと思ったこと」では、「生身の人間には相談できない悩みを話せる」などの声があがりました。一方で、「生成AIの弊害を感じたこと」では、「誤りや曖昧な表現が含まれることもあり、最終的な確認に手間がかかる」という声もみられました。生成AIのビジネスシーンでの活用にはメリットもデメリットも同時にあるようです。

生成AIの活用によって向上したこと
生成AIの活用によって生じたこと

「仕事で分からないことはまず生成AIに相談する」を約半数が支持。20・30代と40・50代で生成AI活用の捉え方に差

「仕事で分からないことはまず生成AIに相談する」を約半数が支持しました。しかし、年代別に見ると、20代・30代は「分からないことはまず生成AIに相談」をポジティブに捉える割合が高い一方、40代・50代は「ネガティブ・どちらとも言えない」が多数派となった。年代が上がるほど、生成AIの活用を慎重に捉える人が少なくないことがうかがえます。

また、今後「困った時の仕事の相談相手(メンター)のような存在になると思う」についてポジティブと回答した割合は19.4%となりました。生成AIが業務の効率化に加えて、気軽に相談できるパートナーのような役割を担っていくケースも出てくるのかもしれません。

「生成AIを活用したアウトプットへの不信感」「生成AIを活用していること自体へのネガティブ評価」などを懸念する声は1割前後に留まっており、生成AIの活用自体に抵抗を覚える人は、現状は多くない様子もうかがえます。

「業務で分からないことはまず生成AIに相談する」についての受け止め
生成AIが今後業務内で活用されていくことについて

「新人研修のレポート作成」「履歴書作成」への活用は6割超が慎重な姿勢

転職活動や就職活動における「履歴書やエントリーシートの作成」への生成AI活用についてポジティブと思うかネガティブと思うか聞いたところ、「ポジティブ(37.0%)」は30%台に留まり、「新人研修のレポート作成」への生成AI活用も「ポジティブ(38.9%)」は30%台に留まりました。生成AIの便利さは理解しつつも、使用するシーンによっては慎重な姿勢が見られるようです。

新卒や中途入社者の生成AI活用をどう受け止めるか

ハイキャリア層ほど、転職活動で「生成AIスキルをアピールした」

なお、自身の転職活動で生成AI活用スキルをアピールしたかについては、「年収800万円以上」「大手企業」「管理職」の転職者は転職活動で生成AIスキルをアピールした人が多数派となっています。生成AI活用スキルは人材としての市場価値につながるという意識があるのかもしれません。

転職活動でアピールした生成AIスキル

一方で、転職活動中の生成AI活用の懸念点では、「内容が無難になり、自分の個性や『らしさ』が消えてしまう(20.6%)」「自分の言葉で書かないことに対し、後ろめたさや罪悪感がある(16.3%)」などの回答もあり、誠意が問われるシーンや「自分らしさ」「理解度」を伝える場面ではまだまだ生成AI活用だけでは難しい場面もある様子がうかがえます。

転職活動で生成AIを活用するメリット・デメリット

総評

昨今、さまざまなサービスや身近なシーンで活用が広がっている生成AI。今回の調査からは、生成AI活用のメリットや、活用スキルを身につけることでキャリアの幅が広がったり、年収アップにつながったりする可能性が見えました。しかし一方で、活用リスクや、環境やビジネスシーンによっては複雑な受け止め方をされることもあるようです。そのような状況下で生成AIを生産性向上やビジネスの飛躍、個人のスキルアップにつなげていくためには、企業が活用方針を明らかにすることも重要です。どのような使い方を推奨するのか、どのようなリスクがあるのか。セキュリティとガバナンスを整備した上で活用を定着させ、成果を全社に広げることで、組織の推進力の一つとしていくことができるのではないでしょうか。

制作:マイナビ転職編集部
マイナビ転職「転職者の生成AI活用と不安に関する実態調査」調査全文はこちらから


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