コロナ禍で海外旅行をするのは難しくなりましたが、家の中や近所でも旅と同じような体験はできると東松さんは語ります。日常生活の中で新しい体験を得るためにどんなことをしているのかを伺いました。
Q.)東松さんの趣味活動について教えてください。
その旅で「3泊という短い期間でも海外旅行は楽しめる」「英語が話せなくても意外となんとかなる」「世界にはこんなに人生を謳歌している大人がたくさんいる」という三つの気づきがありました。特に三つ目の気づきは、仕事ばかりの日々を送っていた当時の私には衝撃でした。ロサンゼルスで平日の昼間からお酒を飲んで楽しんでいる人の姿を見て、「こんな生き方をしている人がいるんだ」「こんなふうに生きてもいいんだ」と思えたんです。それを機にアメリカ以外の場所も見てみたくなり、休みのたびに海外へ行く生活が始まりました。コロナ禍前は「金曜の夜に出発→月曜の朝に帰国→そのまま出社」という週末海外旅行もよくしていました。
今は海外旅行はできませんが、代わりに「海外旅行をしなくても旅と同じような体験はできる」と気づきました。私が旅に求めるのは「知らないものに触れ、自分の枠の外に出る経験をする」こと。それは家にいてもできることなんです。
例えば韓国ドラマを観て、日本との文化の違いや恋愛事情の違いを知ること。それは「知らないものを知る」という視点で見れば旅だと思うんです。僕はまず韓国ドラマにハマって、そこから韓国の歴史を学びたくなり、最終的には韓国語を学ぶところに行きつきました。
近所の外国料理屋で知らない料理を食べてみることや、普段は歩いたことがない近所の道を散歩することも同じです。「こんな料理があるんだ」「この街にはこんな歴史があるんだ」と、今まで近くにあったのに気づかなかったことを知る。知らないことって、近所にも案外たくさんあるんですよね。そんなふうに、日常のささいなことをどうすれば旅に置き換えられるかを日々考えています。
Q.)今の東松さんにとって趣味はどんな位置づけでしょうか。以前との変化とあわせて教えてください。
先ほど話したように、今は家や近所で旅と同じような体験をすることも趣味の一つですが、心のリフレッシュという効能が得られる点では同じです。ただ、海外旅行では圧倒的にインプットが増える、「通行人に道を聞けた」など小さな成功体験を積むことで自信がつき自己肯定感が上がるなど、実際に旅行をしないと体験できないこともあります。なので、もちろん早くまた旅をしたい気持ちもありますよ。
Q.)社会人は仕事とのバランスを考えることが多そうです。趣味と仕事を両立するうえで工夫していることを教えてください。
今、趣味と仕事のバランスで意識しているのは「切り替え」です。仕事が終わったらパソコンを片付けて手が届かないところに置いておく、スマホのメールやチャットアプリは通知が出ない設定(バッジも表示されないように)にし、仕事の情報が入ってこない環境を先に作っておきます。気を抜くと、つい癖で仕事してしまうので……(笑)
せっかく好きなことをやるのなら全力でやったほうが絶対に楽しいし、得るものも多いと思うので、趣味にしっかり打ち込める環境を作るよう心掛けています。もしかしたらそれは、海外旅行で“電波が入らない環境”を経験したことが生きているのかもしれません。海外旅行は携帯電話の電波が入らず仕事の連絡が来ない環境だったからこそ、思いっきり羽を伸ばせていたのかなと思います。
Q.)そのほか、趣味に関することで以前と比べて変わったことがあれば教えてください。
旅を始めた頃に「サラリーマンはこうあるべき」に囚われていたのと同じで、今の自分にも「日本語で、日本人にしか発信できない」という思い込みがあったと気づいたんです。コロナ禍を経て「もっと広い世界で生きられるじゃん」という気持ちになれたのは大きな変化です。
よく「会社を辞めようと思わないんですか?」と聞かれますが、会社員でもこれだけ趣味を楽しめると分かったので、辞めるつもりはありません。毎月ちゃんとお給料が入ってくるのが会社員の何よりの強みです。安定した収入があるからこそ趣味にも打ち込める。そのメリットを最大限に生かしたいので、これからも会社員として頑張りたいと思っています。
(MEETS CAREER編集部)
いろんな人の「趣味」や「好きなこと」との付き合い方
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