【調査】転職を後悔している人は4人に1人!「後悔しない」ために注意すべきことは?

転職で後悔している人は4人に1人

「転職したら給料が上がった」「仕事に不満があるならさっさと辞めたほうがいい」など、周りの声をもとに転職を考えだした方もいるのではないでしょうか。しかし、転職すれば必ずしも仕事環境が好転するわけではありません。自身が就業先に求めるものを整理し、マッチした企業に転職できれば良くなりますが、希望に合わない企業に転職してしまうとギャップを感じて結局、転職を後悔することになりかねないのです。

では、後悔しないためにどのような点に留意して転職活動を進めていけばいいのか。データをもとに考えてみましょう。

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転職を後悔している人は4人に1人

はじめに、転職を後悔している人はどのくらいいるのか、大枠のデータを見ていきましょう。マイナビ転職の「転職満足度調査」によると、転職経験者700人に「転職を後悔していますか?」と聞いたところ、「はい」と回答した人は26.6%、「いいえ」と回答した人は73.4%。
転職で後悔している人
多くの人が「転職してよかった」と感じている一方で、約4人に1人が転職を後悔していることが分かりました。転職活動は「いい仕事を見つける」ものですが、「自分にとっていい仕事」の基準は千差万別。また、さまざまな求人を見ているうちに目移りしたり、「転職で解消したかった不満」を見失ってしまったりというのもよくある話です。

自分が転職でかなえたいことを整理し、優先順位をつけ、条件に合う仕事を探すということはシンプルに見えて、存外難しいのかもしれません。

給料がきっかけで転職活動を始めた人は「後悔する転職」になりやすい?

転職後の後悔と転職理由には関係があるのでしょうか。転職活動のきっかけを後悔有無別で見ると、差が出ている項目がありました。1つ目は給料。「給料がきっかけで転職活動を始めた人」で転職を後悔している人の割合は37.1%。転職を後悔していない人(29.0%)に比べ、多いことが分かります。

対して「仕事内容(やりがい/向き不向きなど)がきっかけで転職活動を始めた人」で転職を後悔している人は18.3%に留まり、転職を後悔していない人(26.1%)をはっきり下回っています。なぜ、「給料など待遇目当ての転職」は、後悔につながりやすいのでしょうか。

理由の1つとして考えられるのが、給料などの待遇が「求めるライン」をクリアしている仕事へと転職しようとすると、仕事内容や仕事環境を変化させざるを得ないケースがあるということ。

高い給料を得られる仕事は魅力的ですが、求められるパフォーマンスも高い傾向があり、「高度な知識やスキルを求められる」「営業で契約獲得数(ノルマ)必達のプレッシャーがある」「深夜や休日の勤務を求められる」「労働時間が長い」などの場合も。

それでも「給料が良ければがんばれる」と思い切って転職してみたものの、予想以上にギャップが激しく、身体やメンタルがついていかなくなってしまうパターンもあります。その結果、仕事を続けられず、収入の断絶や転職を繰り返し、転職を後悔することになってしまうのです。

このような後悔を避けるためには、仕事内容や働き方が大きく変わる場合は事前によくよく仕事内容を検討することが大切です。出勤のために家を出る時間、帰宅時間を想定し同じリズムで生活してみる、求人内の業務内容や先輩のインタビューを見るだけでなく「職種名+向いている人」で検索して、どのようなやりがい、ストレスを感じそうか想像してみるなど、「続けられそうか」を慎重に判断しましょう。

「向いている仕事かどうか」も「後悔する転職」に影響あり?

先のグラフでは「仕事内容がきっかけで転職した人」は後悔している人が少ない傾向でしたが、「仕事の向き不向き」が転職の後悔度合いに影響するかも見てみましょう。転職を後悔している人で「転職先の仕事が向いていない」人は76.8%に対し、転職を後悔していない人で「転職先の仕事が向いていない」人(65.6%)を上回る結果になりました。
転職後悔と仕事の向き不向き

「後悔しない転職」にするためには、やはり仕事内容の向き不向きは大切なようで、前章で職種や働き方を変えた場合ギャップが生まれやすいことはご説明しました。しかし「同職種の転職」でも「仕事内容が向いていない」となってしまうケースはありえます。

というのも、たとえば今まで新卒採用を担当していてやりがいを感じ、引続き「人事」での転職を検討したとしましょう。しかし、同じ人事でも、人事担当者が何人もいて「新卒採用だけを担当」という人事がいる企業の場合、その担当になれれば良いですが、「労務管理の担当になってしまう」ケースもありえます。また、企業によっては「新卒採用はしない年のほうが多く、人事が一人しかいないから一人で中途採用・退職手続き・労務管理まで網羅し、業務比率は後者のほうが圧倒的に高い」という可能性も。

このように「仕事内容が向いているか」を確認するためには、一般的な職種のイメージにとらわれず、「応募先の具体的な業務内容や業務の比率」まで確認し、自身の認識とズレがないか擦り合わせをすることが大切なのです。

業務内容を詳しく知るためには、求人に掲載されている情報に加えて、面接で配属先の上司や先輩社員と話せる機会に質問してみるのがおすすめ。面接では最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることが多いので、「求人に書かれていた〇〇は、具体的にどのような作業でしょうか」「もしご縁をいただけて入社できたら、●●(やりたいこと)の業務にかかわるチャンスはありますか?」など、質問してみましょう。

転職先の早期決断が後悔につながることもある?

ちなみに、転職活動の進め方にも傾向があるようです。転職活動の期間と「転職を後悔しているか」の関連性を調べたところ、「転職を後悔している人」は約6割が3カ月以内に転職、対して「転職を後悔していない人」は、転職を意識し出してから実際に転職するまで3カ月以内の人は半数弱に留まり、4カ月以上の期間をかけている人が多数派であることが分かりました。
後悔する転職と転職活動期間の関係性
中途採用は「欠員募集で1人採用できればOK」のケースも少なくなく、ほかの人が応募して採用が決まってしまえばもう募集は終了。いい求人を見つけたらすぐ応募することはもちろん大切です。

しかし一方で、求人をいくつか見比べていくうちに、「もっと条件がいい企業がある」「意外にこの部分のほうが大事かも」「ここは面接で確認してみないと判断できない」など、より精度高く判断できるようになってくるのも事実。

自分にとって「70点」の企業しか現状では見つからない場合、妥協せずに転職活動を続けた結果もっと自分に合う求人が出てきて、結果的に「急いで決断しなくて良かった」となることもあります。

また、面接など選考過程で「合わないかも」と不安が浮かんだにもかかわらず、内定が出たことに舞い上がって懸念点に目をつむって入社を決めてしまい、入社後に不安が的中してやっぱり妥協しなければ良かった、となるパターンも聞きます。

内定が出たらうれしいものですが、転職活動の目的は入社することではなく、より自分に合った働き方や仕事をできる企業、長く働いていける企業を見つけることです。

自分の理想を100%叶える会社というのはなかなかないものですが、転職目的や譲れない条件など根本的なところで違和感がある場合は「転職活動をさっさと終わらせたい」という誘惑にかられても立ち止まって、冷静に検討することが大事と言えるでしょう。

まとめ:転職を後悔しないためには、念入りな情報収集が必須

以上、転職を後悔した人のデータをもとに「後悔の少ない転職にする方法」を考えてきました。給料や待遇が良くても「続けられそうな仕事か」「向いている仕事か」を冷静に判断すること。イメージで決めず、面接などの機会を利用して実際の業務イメージを擦り合わせること。「転職すること」を目的にせず、納得のいく転職先に出合えるまで転職活動をすること。

これらを押さえて転職活動を進めていくことで、よりよい転職に近づくはずです。人生のなかで少なくない時間を費やすことになる就業先の選択、冷静に、着実に進めていきましょう。

文・本城奈々子


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