誰かとする業務は、やる気につながる。会社員&ライター・あたそさんの「仕事のやりがい」

あたそさんアイキャッチ


働き始めて数年が経つと、日々の業務内容自体には慣れてくる一方で、自分の仕事のやりがいはなんだろう? という悩みにぶつかる人は多いのではないでしょうか。働くうえで何を大事にしているかが分からなくなったり、やりがいを感じられなくなったりすると、仕事へのモチベーションの維持が難しくなることも……。

そこで今回は、普段は会社員として働きながら、Webメディアを中心に働き方、生き方などに関するコラム執筆も行うあたそさんにインタビュー。あたそさんなりの仕事との向き合い方のヒントをお聞きしました。


PROFILE

あたそ

あたそ
普段は会社員として働く傍ら、たまにインターネット上であれこれ文章を書いたりトークイベントを開いたりしている。好きな飲みものは酒。自分の思ったこと・感じたことをきちんと文章で表現してくことと、健康が当面の目標。著書に『女を忘れるといいぞ』(KADOKAWA)、『孤独も板につきまして 気ままで上々、「ソロ」な日々 』(大和出版)がある。
Twitter:@ataso00

自分の仕事が「大きく変化していく瞬間」が、一番のやりがい

ーーあたそさんはライターとしての活動もされていますが、基本的には会社員として働かれているんですよね。仕事をしているとき、どんなときにやりがいを感じられますか?

普段はIT関係で働いているのですが、自分ひとりでは絶対にできなかったプロジェクトを複数の人と一緒に完成させたり、目標を達成したりすると「やってよかったな~!」と思いますね。

副業として文章を書く仕事もしていますが、営業やデザイン、事務、経理などの他の仕事は全くできませんし、ひとりでできることには限りがある。ただ、一人ひとりに割り振られるタスクは小さいものかもしれないですが、それぞれが業務をこなして進めていくと、だんだんひとつの大きなプロジェクトに変化していきますよね。

自分の行った小さな作業が大きなプロジェクトに関係し、支えている一部なんだと思えるところが、今の仕事をしている上で自分のやる気にもつながっています。

あとは、社会に貢献できているか、役に立てていると思えたときでしょうか。直接的にではないかもしれませんが、困っている人に向けて手を差し伸べられる、選択肢を増やす、考え方を変えるきっかけを提供できる……といったことが仕事を通じてできたとき、やっていてよかったと感じます。



意識的に気分転換して、モチベーションを維持する

ーー仕事をしていると、モチベーションを維持するのが難しい場合もあると思います。「やる気が出ないな」と感じたとき、あたそさん自身はどうしていますか?

同時進行でタスクを抱えることが多いので、資料作成など、いろいろと考えながら進めなければならない業務に疲れたら、Excelに数式をポチポチ入れていく作業や取引先へのちょっとした返信など、あまり頭を使わなくていい業務をするようにしています。

あとは初歩的なことかもしれませんが、休憩をとることも意識しています。コンビニにお菓子を買いに行ったり、仮眠を取ってみたり。会社で仕事をするときは、作業できるスペースがいくつかあるので、作業する場所を変えることもあります。

それでも駄目なら、その日は無理に根詰めずに退勤したほうが、「次の日頑張ろうか」となるように思います。「今日はダメだな」と思ったらサッと上がって映画を見に行ったり、コロナ前であれば飲みに行ったりしていました。


自分の経験を発信して、誰かの生き方を肯定したい

ーーあたそさんが仕事をするうえで大事にしたい、モチベーションにつながることがあれば教えてください。

以前は「お金がもらえていればいいや」くらいで、どんな仕事でもよいと思っていたんです。でも、基本的にはこれから嫌でも数十年働き続けなければいけない。せっかくやるからには自分のためだけじゃなくて、他の人にもいい影響が与えられることがしたいと今は思っています。

幸い、今は正社員として働けていて、勤め先も表立って男女で差があるわけでもありません。ただ、社会的にはまだまだ色々あるんだろうなと……。「女性」で「正社員」で「独身」という組み合わせで東京に生きるひとりの人間として、私がきちんと普段の仕事を頑張っていれば(まあ、最悪頑張らなくても)、自分自身新しい道を見つけたり、気づきがあったりするかもしれない。

そして、ライター業などを通し、自分の感じた何かを発信することで、誰かの肩の荷を下ろしたり、生き方を肯定してあげられたりするんじゃないかな、と思っています。




「ひとり」であることをテーマに、あたそさんの赤裸々な感情が書かれた著書『孤独も板につきまして 気ままで上々、「ソロ」な日々』(大和出版)


働くうえでの優先順位を、まずは考えてみる

ーー仕事へのやりがいやモチベーション維持に悩む若手の社会人に向けて、あたそさんなりのアドバイスをいただけないでしょうか。

仕事って、少しでもラクで、楽しくて、給料も高くて、それでいてやりがいがあるほうが絶対にいいじゃないですか。でも、全員が全員「好きなことをして生きていく」のは無理だし、長く働くにつれて、絶対に苦手なことや、嫌な業務は発生すると思うんです。

なので、まずは仕事に関連するさまざまな条件の中で「自分が大切にしたいのは何か?」「将来どんなことができるようになって、どんな仕事をしていたいのか?」といった優先順位を考えてみるといいのかな、と思います。

私は今の会社で3社目なんですが、前の職場は「個人でやる」というスタンスが強かったんです。でも、転職して「みんなで力を合わせてやる」ことに面白さを感じるようになった。そういった意味では自分にとって、今のような仕事ができる環境が、働くうえでのやりがいにもつながっているんじゃないかなと思っています。

なので、どうしてもやりがいが感じられなかったり、モチベーションが維持できなかったりする状況が続く場合は、他の環境に目を向けてみる、というのも全然アリ。まずは気が向いたときや無理のない範囲で、他企業に勤める人の話を聞いてみる、くらいから始めてみてもいいんじゃないでしょうか。

(MEETS CAREER編集部)

今日の学びをTwitter(X)にメモ(読了メモ)

このエントリーをはてなブックマークに追加

仕事の「やりがい」を感じづらくなったら

「メルカリ」で働きつつ、静岡銀行、コンビニ店員の副業をこなす。池田早紀さんの仕事のやりがいとは

「メルカリ」で働きつつ、静岡銀行、コンビニ店員の副業をこなす。池田早紀さんの仕事のやりがいとは

▶記事を読む


「1位になれない」と気づいてからが勝負。ファーストサマーウイカに教わる「自己プロデュース術」

「1位になれない」と気づいてからが勝負。ファーストサマーウイカに教わる「自己プロデュース術」

▶記事を読む