管理職とはコスパが悪い? 管理職のメリット・デメリット・なりたくない人がすべきこと

ミーティングをする社員


管理職とは、企業において、部門・チームをまとめ、部下の育成を担う役割。従来、多くのビジネスパーソンにとって、管理職になることは出世と成功への道であり、将来の目標でした。

しかし近年は、「苦労に見合った給与がもらえない」「責任が重くなる」「プライベートの時間が減る」といった理由から、「管理職はコスパが見合わない」「管理職になりたくない」と考える人が増えているようです。将来、今の職場で管理職になるかどうかを迷っている人もいるのではないでしょうか。

今回は、管理職の定義や役割、必要なスキル、管理職になるメリット・デメリットなどの基礎知識を確認したうえで、管理職にならないという選択肢についても考えてみましょう。

<INDEX>
・管理職の定義
・管理職の役割と仕事内容
・管理職に必要なスキル
・管理職に向いている人と向いていない人
・管理職になるメリット
・管理職になるデメリット
・管理職になりたくない人は6割以上
・管理職にならない選択肢とそのメリット・デメリット
・管理職にならない場合のキャリア戦略
・まとめ:適性やメリット・デメリットを把握したうえで判断を

管理職とは? 管理職の定義

管理職とは、企業の各部門やチーム内で一定の権限と責任を持ち、部下を指導する役職のこと。管理職の権限や職務の範囲は企業によって異なりますが、現場の統括、売り上げや予算の管理、労務管理、人材の育成など、さまざまな重要な役割を担っています。

どこから管理職と呼ぶのか

日本の企業には、一般社員の上に、主任、係長、課長、次長、部長、本部長といった役職のある社員がいます。一般的には、係長または課長より上の役職を管理職と呼ぶ企業が多いようです。また、企業によっては、課長クラスをマネジャー、係長クラスをチームリーダーと呼ぶ場合もあります。

役員との違い

管理職の上には、さらに取締役、会計参与、監査役といった役員がいる会社が多いでしょう。これらの役員は、通常は管理職には含まれません。管理職は一定の業務や部門に対して責任を持つ立場で、役員は企業経営の責任を負う立場という違いがあります。

一般社員との違い

一方、管理職の下にいるのが、役職のない一般社員。管理職は、所属する部門・チームのメンバーの能力を高め、部門・チームの業績を上げることが評価につながりますが、一般社員の場合は個人の成果のみが評価されるケースが一般的です。

管理職の役割と仕事内容

次に、管理職に求められる役割や仕事内容について、詳しく解説します。

管理職の役割【1】業務の管理や改善

所属する部門・チームの業務管理を行うことは、管理職の基本的な役割。目標達成に向けて計画を立てて人員を配置し、予算や進捗を管理していきます。世間や競合の動向など、事業をとりまく状況の変化や部下の成長に応じて業務の進め方を見直し、より効率的に業務を遂行できるように改善していくことも求められます。

管理職の役割【2】労務管理

部門・チーム内の労働環境を整えることも管理職の役割。主に労働時間や安全衛生(労働者の健康が損なわれたり、労働者が危険に晒されたりする職場環境を回避すること)の観点で部下を管理し、健全に働けるように気を配る必要があります。

管理職の役割【3】人材育成

管理職は、部下が業務に必要なスキルを身につけ、向上できるように教育・指導する役割も担っています。その内容は多岐にわたり、日常的な業務の状況把握やサポート、成績評価だけでなく、モチベーションの停滞が見られる時は、原因を考え、高いモチベーションで業務に取り組めるように目標設定や原因解消など、コミュニケーションを通じて働きかける必要も。

また、部下がそれぞれどのようなキャリアを歩んでいきたいのか、そのために今必要なことは何かを考え、実践していくサポートもします。いずれも定期的な1on1ミーティングを行うなど密な信頼関係を築き、その人に合わせた指導をすることが求められます。

管理職の役割【4】チームづくり

組織では、たとえ有能な人材が集まっていても、チームワークが弱ければ実力を発揮することができません。管理職が社員同士のコミュニケーションを促したり交流の機会を設けたりして、スムーズに協力し合える体制や、遠慮なく意見を言い合えるオープンな雰囲気をつくっていく必要があります。

管理職の役割【5】経営理念の浸透

企業が目標を達成するためには、社員一人ひとりが経営理念を理解して、同じ方向を目指して努力していかなければなりません。一般社員と経営陣の間に立って、経営陣の考えをわかりやすい言葉で社員に伝えることも、管理職の役割の一つといえるでしょう。
管理職の5つの役割

これら5つの役割をまっとうしようとすると、多くの実務作業が発生するだけでなく、「人材育成」「チームづくり」など人に働きかけるアクションや責任の大きい判断が求められるため、人によっては時間的・精神的負荷を感じるように。よって、せっかく会社から管理職に選ばれても「コスパが悪いから」と、断る人もいるのです。

しかし、ビジネスパーソンとしての長いキャリアを考えた時に、本当にコスパが悪いのか。管理職をやっていくことによって身に付く資質やスキルなどをもう少し見ていきましょう。

管理職に必要なスキル

アメリカの経済学者ロバート・L・カッツが提唱した「カッツ・モデル」と呼ばれる理論によると、管理職には、次の3つのスキルが必要とされています。なお、「カッツ・モデル」は、多くの企業において人材育成や人事評価の指針として活用されています。

■ヒューマンスキル(対人関係能力)
他者と良好な人間関係を築き、維持する能力のことです。基本的な報告・連絡・相談から作業の依頼、取り引き先との商談まで、ビジネスのあらゆるシーンで求められる基礎的な能力といえます。対面の会話やメールなどでの日常的なやりとりに必要なコミュニケーション力をはじめ、リーダーシップ力、傾聴力、交渉力などもヒューマンスキルに含まれます。

■テクニカルスキル(業務遂行能力)
業務を遂行するために必要な技術全般を指します。求められるスキルは、業種や職種によってさまざま。たとえば営業職であれば、商品・サービスや業界に関する知識、商品・サービスの魅力や活用方法を伝えるプレゼンテーション力などが求められます。

■コンセプチュアルスキル(概念化能力)
複雑な物事の本質を見極め、適切な判断を下す能力のことです。管理職は、未知のトラブルが起きたときにも、状況を客観的に分析して解決しなければなりません。そのような場面で役立つのがコンセプチュアルスキルです。

役職が上位になるほど求められるスキルといわれ、論理的思考や水平思考(常識にとらわれず自由に発想する力)、柔軟性、洞察力、知的好奇心、先見性といった要素も含まれます。

管理職に向いている人と向いていない人

管理職に必要なスキルは、現場経験を重ねたうえで管理職向けの教育や研修を受ければ、ある程度は向上させることができると言われています。しかし、どうしても「向き・不向き」はあるもの。どんな人が管理職に向いていて、どんな人が向いていないのかを見てみましょう。

管理職が向いている人

管理職には、基本的に、コミュニケーション力が高く、リーダーシップとマネジメント力がある人が適しています。部下を指導・育成することが好きな人、人のために動くのが苦ではない人も適任といえるでしょう。

また、目の前のミッションに取り組みつつも半年後・1年後にあるべき姿や達成すべき目標に向けて段取りを組み、推進していくことが得意な人も向いています。メンバーのキャパシティやさまざまなタスクのバランスも考えていく必要があるため、俯瞰的に物事を捉えることができる能力も、アドバンテージになります。

管理職が向いていない人

一方、マネジメント力が低く、三カ月後や半年後を見据えて指標やスケジュールをたてて動き、判断や意思決定を行っていくのが苦手な人は、苦労するかもしれません。また、部下の育成に興味や意欲を持てない人、人に仕事を任せられず何でも自分でやってしまう人も、管理職には不向きです。

管理職になると多くの業務が発生するため、マルチタスクが苦手な人は苦労しがち。効率化や効果の最大化を求め、自ら旗振り役となって改善していく姿勢が必要になるので、「誰かが言い出してくれるのを待つ」「指示されたことしかやらない」という受け身のままでは難しいでしょう。

ただし、先述のとおり、現時点で「向いていない」と思っても、やっていくうちにスキルが身に付き、苦もなく行えるようになっていく人もいます。また、管理職になってから「部下と一緒に成長していく喜びに気付いた」という人もいる様子。ですから、現時点で向いていないからといって、やる前から「自分にはできない」と線を引く必要はありません。

管理職になるメリット

管理職という立場には、メリット、デメリットの両面があります。まずは管理職になることの主なメリットについて解説します。

管理職のメリット【1】やりがいが増す

管理職になると、一般社員だった頃より自分の判断で決裁できる範囲が増えるので、仕事を進めやすくなります。「やりたいことをできるようになった」「裁量が大きい仕事が増え、楽しくなった」という声を聞くことも。

大変な部分もありますが、成果が出たときに達成感や充実感を得やすくなり、仕事へのやりがいが増すでしょう。

管理職のメリット【2】仕事の推進力が身に付く

管理職になると、進捗や予算の管理、部下の育成など、それまで経験してこなかったさまざまな業務を経験することに。試行錯誤しながら前向きに取り組むことで、ビジネスパーソンとして不可欠なコミュニケーション力、交渉術、段取りなどのマネジメント力は嫌でも鍛えられるはずです。

これらのスキルや経験値は、管理職としてだけではなく、いずれ転職したり独立したりして役職なしの「1プレーヤー」になったとしても大きな財産に。どんな仕事であっても「人に働きかける力」「目的に向けて仕事を推進していく力」は大きな武器になるからです。
自身の成長を実感できればうれしいものですし「会社に与えられた管理職という立場を利用してスキルアップできるならコスパよし」という考え方もあるかもしれません。

管理職のメリット【3】収入アップが期待できる

管理職にあたる役職に就くと、基本給が上がるうえ、役職手当がつくのが一般的。昇給額は企業や役職によりますが、年収がアップするケースが多く、ゼロから副業を始める負荷や、すでに年収水準の高い会社・業界に身を置いていて転職による収入アップが見込めない場合を考えると、「比較的現実的で着実な収入アップ手段」となる人もいるでしょう。

また、直近の収入だけでなく老後の備えなどにかかわる退職金の観点でのメリットも。退職金制度を設けている企業では、役職が高くなるほど、定年退職時にもらえる退職金の額が高くなる傾向があります。

管理職のメリット【4】さらに出世できる可能性がある

管理職としてしっかりチームマネジメントをして成果を出せば、順調に出世し、ゆくゆくは取締役や執行役員といった経営幹部になれる可能性もあります。経営幹部は企業の業績や行く末を左右する立場であり、さらに責任が大きくなる分、やりがいや収入アップにもつながります。

管理職のメリット【5】転職で有利になる

管理職を経験していれば、転職活動でも有利になります。中途採用では「即戦力」を求めている企業が多く、マネジメント経験やリーダーシップがある人材は重宝されます。応募先の選択肢が広がり、比較的好条件で転職しやすくなるはずです。

管理職になるデメリット

続いて、管理職になることの主なデメリットについても解説します。

管理職のデメリット【1】責任が重くなり、プレッシャーが増す

管理職は部門・チームの業務に責任を持つ立場です。成果が出たときは評価されますが、業績が不振になるなど、望ましい結果にならなかったときには、異動や降格など、責任を問われることもありえます。

また、部下のミスや成績不振に対しても責任を負わなければいけません。部下がトラブルに見舞われた時は、社内外の関係先に対して管理職の謝罪が必要になるケースも。管理職として常に成果を求められることによるプレッシャーは大きく、人によってはストレスを感じるでしょう。

管理職のデメリット【2】プライベートの時間が減る

企業や業種にもよりますが、管理職になると、会議やトラブル処理、部下のフォローなどに費やす時間が増え、労働時間が長くなる・休みが取りづらくなるケースが多いようです。その結果、趣味やリフレッシュの時間が足りない、仕事と育児の両立が難しいといった悩みが生じがち。ワーク・ライフバランスを考えると、自分にはハードルが高いと考える人も少なくありません。

近年は、働き方改革が進み一般社員の長時間労働は改善に向かっている一方で、しわ寄せが管理職にいっているというケースも。企業には、管理職の負担軽減に取り組むことが求められています。

管理職のデメリット【3】人間関係の悩みが増える

管理職になると、多数の一般社員の上に立って管理する立場になるので、今までとは違う角度の人間関係の悩みを抱えることになります。

たとえば、熱心に指導しても部下の成長につながらない、勤務態度が悪いメンバーがいれば注意をしなくてはいけない、いち早く業績を上げたい経営陣と経営方針に疑問を感じる一般社員の間で板挟みになる、など。そういったことをしんどいと感じる人もいるでしょう。

管理職のデメリット【4】残業代がつかなくなる場合がある

管理職が労働基準法上の「管理監督者」に当てはまる場合、企業は管理職に時間外(残業)手当を支払う必要がありません。そのため、時間外(残業)手当が支給されなくなる場合もあるのです。

結果、一般社員の頃に長時間労働をしていた人の場合、管理職手当がそれまでの時間外(残業)手当が下回り、年収が下がるパターンも。これが、よく言われる「管理職はコスパが悪い」の大きな一因であることは、言うまでもないことです。

といっても、すべての管理職が管理監督者であるわけではありません。管理監督者は経営者と一体的な立場とされていて、管理監督者にあたるかどうかは、職務内容、責任と権限などの実態によって判断されます。

管理職でも十分な権限や待遇が与えられていない場合は管理監督者とはみなされず、企業は一般社員と同様に残業手当を支払う必要があり、扱いは会社と役職によってさまざま。ですから、「将来管理職を打診された時に受けるかどうか」を考える時は、社内の規定や労働基準法上の扱いも考慮して判断したほうがよさそうです。
管理職のメリット、デメリット

管理職になりたくない人は6割以上

厚生労働省が2018年に公表した調査結果によると、役職に就いていない一般社員のうち、昇進希望について「管理職以上に昇進したいとは思わない」と答えた人は、約6割(61.1%)を占めます。

管理職になりたくない理由

では、6割以上の人が「管理職以上に昇進したいとは思わない」のはなぜなのでしょうか。
同調査では「管理職以上に昇進したいとは思わない」と答えた人に「管理職への昇進を望まない理由」を聞いています。上位を占めたのは、「責任が重くなる」(71.3%)「業務量が増え、長時間労働になる」(65.8%)「現在の職務内容で働き続けたい」(57.7%)「部下を管理・指導できる自信がない」(57.7%)といった理由でした。

そのほか、「賃金が上がるが、職責に見合った金額が払われない」という理由をあげた人も約3割(34.1%)に上ります。これらのデータからは、若い世代の価値観が多様化し、管理職になることにメリットを見出しにくくなっていることがうかがえます。

※出典:厚生労働省「平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-」

管理職にならない選択肢とそのメリット・デメリット

将来、職場で管理職への昇進を打診された場合、必ずしも承諾する必要はありません。打診を断って、役職に就かずに働き続けることも可能です。

管理職にならない選択肢には、現場で好きな仕事を続けられる、ワーク・ライフバランスを維持しやすい、人事評価を気にしすぎずにのびのびと働けるといったメリットがあります。ただし、次のようなデメリットがあることも知っておきましょう。

管理職にならないデメリット【1】キャリアの可能性が狭まる

管理職にならないということは、管理職になっていれば得られたかもしれないマネジメント経験や成長のチャンスも手離すことになります。場合によっては社内の出世コースから外れたり、「モチベーションが低い」「成長意欲に欠ける」とみなされてしまうことも。

将来、転職する場合、管理職経験者を求める求人募集には応募しにくくなるため、転職先の選択肢が狭まるでしょう。転職市場では年齢が上がると相応の経験が求められるので、マネジメント経験がないことで転職自体が難しくなるかもしれません。

管理職にならないデメリット【2】収入が上がりにくくなる

日本の企業の昇給制度では、課長や部長といった役職に就いたタイミングで大幅に昇給するのが一般的です。一般社員のままでいると管理職ほどの昇給が見込めず、収入が上がりにくくなるケースも。

コスパという意味では、「どうせ同じ時間会社で働かなくてはいけないなら、より昇給の見込みのある管理職になっておく」なども、1つの考え方でしょう。

管理職にならないデメリット【3】権限のない状態が続く

一般社員は、管理職と比較するとどうしても権限の少ない仕事に偏りがち。若いうちは気楽ですが、年齢や経験を重ねても権限のない状態が続くとジレンマを感じる場合も。仕事におもしろさを見出せず、やりがいを感じにくくなるおそれがあります。

管理職にならないデメリット【4】年下が上司になる

社内で昇進を断り続けていると、いずれ部下や後輩が管理職につくことになります。相手との関係性にもよりますが、年下の上司から指示を出され、ときにはダメ出しを受けることは、予想以上に大きなストレスになるかもしれません。
管理職にならないメリット、デメリット

管理職にならない場合のキャリア戦略

管理職にならないデメリットを理解したうえで「どうしても管理職にはなりたくない」という場合、どのようにキャリア設計をしていけばよいのでしょうか。ここからは、管理職にならない場合に考えられるキャリア、そのためにやっておくべきことについて解説します。

今の職場でスペシャリストになる

一つ目の選択肢は、今勤務している企業で一般社員として働き続ける道です。ただし最近では、長年続いてきた年功序列・終身雇用を見直し、成果主義を取り入れる企業が増加傾向。マイペースに与えられた仕事をこなすだけでは、年齢が高くなるにつれ人員整理の対象になるかもしれない、ということを考えておく必要があります。

年齢を重ねても今の職場で求められる人材であるためには、業績アップや他社との競争に貢献できるようなスキルを磨いて、スペシャリストを目指すことになるでしょう。企業によっては、専門性の高い人材を管理職と同等に処遇する専門職制度を設けている場合もあります。

エンジニアや会計士のように特別な知識やスキルを持たない総合的な職種でも、自社の特定の商品・サービスについて誰よりも詳しい、オンラインイベントの企画・開催を取り仕切れるといった「強み」を持てれば、生き残りは可能でしょう。

まずは身近なロールモデル、管理職ではない先輩の社内での役割、立ち位置、働き方、仕事のやりがいなどを調べ、自分にはどのようなキャリアパスがありそうか、まったく新たなキャリアパスを開拓する必要があるのかなど、考えてみることをおすすめします。

スペシャリストとして転職する

他社でも通用するレベルの専門的なスキルを身につけることができていて、的確にそれをアピールできれば、転職や転職による収入アップを見込める可能性もあります。

転職サイトの同業同職種の求人をチェックして今のスキル・経験で転職できそうな仕事にはどのようなものがあるのか、今より年収帯の高い仕事に応募するには、どのようなスキルを身に付ける必要があるのかなどをチェックしてみましょう。

フリーランスになる・起業する

職種によっては、会社に属さずフリーランスで活躍する選択肢も。実力と人脈があることが前提ですが、フリーランスになると、ある程度は自分に合った仕事を選びながら、自由に働くことができます。

ただし、フリーランスとして安定した収入を得られるようになるまでには時間がかかることも。また、会社員時代のスキルや経験、アイデア・人脈があってこそ、という部分もあります。

もしフリーランスを目指すのであれば、まずは興味のある分野の副業にトライしてみて、軌道にのったら独立や起業を見据えるというのも1つのやり方でしょう。

まとめ:適性やメリット・デメリットを把握したうえで判断を

「企業での出世こそが成功」と捉える価値観が薄れてきている今、管理職になるメリットは、より感じにくくなっています。責任の重さや仕事の大変さを考えれば、管理職にはなりたくない、「管理職はコスパが合わない」と考える人が多いのは当然かもしれません。

しかし、将来的には幅広い業界で、今以上に業務効率化や管理職も含めた働き方改革が進み、管理職の負担が軽減されることも考えられます。また、年齢を重ねるにつれスキルが高まり、よりスケールの大きい仕事をしたい、後進を育成したいといった意欲が高まる可能性も。

「管理職にならない」と決めつけてしまう前に、まずは社内で「管理職」「管理職以外」それぞれのキャリアパスを選んでいる先輩の仕事や待遇について、情報収集をしてみましょう。そのうえで、自分は「どちらになりたいのか」「どちらが合っているのか」考えてみる。

そしてもし将来、管理職になるチャンスに恵まれたら、現在の自分の適性やメリット・デメリットだけでなく、将来のキャリアプランもよく考えたうえで、検討してみてはいかがでしょうか。

文・ミーツキャリア編集部