IT・経理・事務・企画は10年以内になくなる仕事か? 将来なくならない仕事とはどんな仕事?


IT・経理・事務・企画は10年以内になくなる仕事か?

相次ぐDX化や生成AIの登場で、私たちのビジネス環境は激変しています。

マイナビ転職が2025年に実施した「キャリア危機に対する意識調査」では、正社員の6割以上が「今後、仕事を続けることが難しくなる事態が起こりうる」と回答。

「会社は続くのか」「今の仕事は将来も通用するのか」——そんな不安は、今や珍しいものではありません。

では、私たちはこの変化とどう向き合えば良いのでしょうか。


※この記事は音声配信でもお届けしています。「ながら聞き」したい方はこちらから!

※AIに奪われる仕事、奪われない仕事の「決定的な違い」について、AI研究の第一人者川村 秀憲先生に解説いただいた記事はこちら
meetscareer.tenshoku.mynavi.jp

※本記事は2026年4月30日に一部データを更新しました

「今の会社は定年まである」は半数未満

マイナビ転職「キャリア危機に対する意識調査」によると、「今の会社は10年以内になくなる可能性がある」と回答した人は31%。
一方で、「定年まではあるだろう」と考えている人は48.3%にとどまりました。

つまり、2人に1人以上が「定年まで今の会社が続くとは言い切れない」と感じていることになります。

企業の存続リスクは、販売不振や経営悪化だけではありません。親会社の倒産、不祥事、経営者の高齢化や後継者不足など、個人ではコントロールできない要因も多く存在します。
「1社に長く勤め続ける=安定」という前提は、既に揺らぎ始めているのかもしれません。

「今の仕事は10年以内になくなる」41.2%

さらに深刻なのが「仕事そのもの」への不安です。
「今の仕事は何年後まであると思うか」という問いに対し、41.2%が「10年以内」と回答しています。

これは、「職場はあっても今の職務・役割が続かない可能性」を多くの人が感じていることを示しています。

この傾向は、社会人になったばかりの新入社員にも共通しています。
2023年に実施した「新入社員の意識調査」でも、「今の仕事は20年以上ある」と回答した人は4割にとどまり、早い段階から仕事の将来性に目を向けている様子がうかがえます。

一方で、職種別に見ると興味深い違いも見られました。「医療・福祉・教育」分野では、「20年以上ある」と回答した人が66.4%と、高い水準となっています。

どんなに機械化や自動化が進んでも、最後は人間の五感にもとづいた確認やコミュニケーションが求められる分野だけに、なくならないと考える人も多いのでしょう。

IT・経理・事務・企画は10年以内になくなる仕事か?

反対に、新入社員の間で特に危機感が強く表れた職種もあります。

まず1つ目はIT専門職。「10年後まである」の回答は36.5%、「5年以下」の回答は15.3%。

2つ目の「経理・事務・企画」は「10年後まである」の回答は34.0%、「5年以下」の回答は13.3%。

いずれも、比較的短いスパンで仕事が変わる・なくなる可能性を感じている層が一定数いることが分かります。

ちなみに「技能工・物流・配送」は「5年以下」の回答が19.5%と、さらに高い割合となりました。

物流・配送分野では、自動運転技術の研究開発が加速しており、日本でもレベル3の自動運転車両が一般道を走ることを想定した法改正が進んでいます。

こうした背景から、「ドライバー」という仕事の在り方が変わる可能性を、ひしひしと感じているのかもしれません。

将来もなくならない仕事とは?

このように「将来仕事がなくなってしまうかも」と危機感を覚えているのは、おそらく新入社員だけではないでしょう。

実際、最新の「キャリア危機に対する意識調査」でも、正社員の多くが「今後、仕事を続けることが難しくなる事態が起こりうる」と感じています。

20年後というと、今40歳前後の方までは、十分に現役で働いている可能性がある年代です。そう考えると、職種で一概に「なくなる」「なくならない」を判断してしまうのは、少し危険かもしれません。

新入社員の意識調査では、医療・福祉・教育といった分野で「20年以上ある」と考える人が多い一方、ITや経理・事務・企画といった職種では、比較的短いスパンで仕事が変わると考える人も一定数いました。
ここから見えてくるのは、不安の正体が職種そのものではなく、仕事の中身に向けられているという点です。

たとえばITに含まれるシステムエンジニアで言えば、仕様書通りにプログラミングをするといった作業は機械に代替されていくかもしれません。

しかし、「潜在課題をヒアリングし、顧客にベストなシステムを提案・設計する」という部分は、人の力なしにはまだまだ難しいでしょう。

また、人力のみでやっている業務にシステムを導入し、仕事の進め方そのものを設計する役割も、人間にしか担えません。

いずれも、言語化できない「不安」や「不便」を聞き出す能力や、会話や目の前の人のリアクションから感情や思いを汲み取るなど、そこには高度なコミュニケーションや判断が求められるからです。

社会の変化のなかでなくなる仕事は確かにあります。しかし同時に、「今後も必要とされ続ける仕事」「より価値が高まる仕事」があるのも事実です。

職種名に振り回されるのではなく、自分の仕事がどのような価値を生み出しているのかという視点で捉え、どんな経験を積み、どんなスキルを身に付けていくかを主体的に選び社会の変化に適応していくことが、これからのキャリアにおいてはますます重要になるのかもしれません。

【まとめ】「仕事がなくなるかも」と不安な人がすべきこと

正社員の多くがキャリア危機を意識する時代において重要なのは、「不安をなくすこと」ではなく、不安に備える行動を取ることです。

調査では、安定して働き続けるために必要なものとして、以下の3つが多く挙げられました。

・スキルアップ

・昇給・収入の安定

・健康

この3つに備えるためには、「会社に依存するキャリア」から「自分で更新していくキャリア」へ一歩踏み出すことが必要になります。

社内での業務希望の提示、プロジェクトへの参加、学び直し制度の活用、あるいは転職によるキャリアの再設計など、選択肢はひとつではありません。

今の仕事を「将来どんな価値につながるか」という視点で見直してみてはいかがでしょうか。

制作:マイナビ転職編集部


キャリアトレンド研究所バナー
※この記事の内容は「ながら聞き」でもお楽しみいただけます

今日の学びをX(旧Twitter)にメモ(読了メモ)
このエントリーをはてなブックマークに追加