【同世代インタビュー】書籍編集者・鳥飼さんのお仕事とプライベートについて

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二十代のがんばる会社員に、お仕事とプライベートについて赤裸々に答えてもらい、日々の生活を変えるきっかけになるコーナー「同世代インタビュー」。今回は出版社で書籍編集の仕事をしている“鳥飼さん”に答えてもらいました!

あなたのお名前、年齢、職種を教えてください

鳥飼です。27歳で、出版社で書籍編集者をしています。

お仕事について詳しく教えてください

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編集者は「どんな仕事をしているのか分からない」と言われることが多いのですが、かなり幅広く細かい業務に携わっており、一言で表すのは難しいです。私の場合は、出版物の企画立案や、作家への執筆依頼、制作進行といった役割をはじめ、会社のSNSやWEBサイトの更新、書店営業や販促グッズの制作なども行なっています。

ほとんどがゼロから企画を考えていくため、ある程度の売上見込みのもと準備をしていきますが、いつも「大勝負に出る」という気持ちで仕事に臨んでいます。

一冊の本ができるまで数カ月〜年単位のプロジェクトとなるので、どの本も思い入れが強く、出版から何年経っても売れ行きや読者の反応をチェックし続けています。それぞれの本によって作り方も売り方もまったく違うので、毎回初めてのことだらけ。苦労しなかったことは一度もなかったかもしれません。

この仕事には、特定の顧客がいるわけではありません。そんななかで書店に並んだ本を偶然見つけ、手にとり、購入してもらうことは、奇跡に近い確率だと思っています。逆に言えば、その確率を上げることで、世の中すべての人が誰でも読者になってくれる可能性を秘めているのが、大きなやりがいです。会ったこともないどこかの誰かが、自分が送り出した本を読んでくれるかもしれない。そして、もしかしたら誰かの人生を変えるきっかけになるかもしれない。そんなことを考えると、とてもワクワクします。

プライベートでの趣味や続けていることはありますか?

田舎育ちのためすぐに自然が恋しくなるのと、在宅勤務の影響で運動不足に陥っているので、休日は散歩やサイクリングに出かけるようにしています。お酒が好きなので週末は飲みに行ったり、県外に住む友人の家に遊びに行ったりするのも楽しみの一つでしたが、最近はコロナ禍でそれも叶わないので、オンライン飲み会をすることもあります。

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長年続けている趣味は、旅に出かけることと、写真を撮ることです。特に、仕事に疲れると定期的に温泉地巡りをしたくなります。おそらく、地元が温泉地で、昔から温泉に浸かる習慣があったことによる一種の禁断症状です。アイデアに煮詰まったり、決断力が鈍ってきたりしたときには、知らない土地の空気に触れて頭を空っぽにしています。

そして、旅先で撮った写真は、形として残しておきたいという思いから、自らレイアウトして小冊子のような形でまとめています。編集者になる前から密かに続けていたことなので、もしかしたら現在の仕事のちょっとした礎になっているのかもしれません。

平日(就業日)と休日の過ごし方について教えてください

■ある日のスケジュール


8:30 起床
8:30〜10:00 朝食・身支度・家の掃除
10:00〜11:00 仕事(メールチェックや打ち合わせ資料準備など)
11:00〜12:00 打ち合わせ(リモート)
12:00〜13:00 昼食・散歩 (公園や図書館など)
13:00〜19:00 仕事(原稿チェック・デザイン業務・書店営業・社内MTGなど)
19:00〜21:00 料理・夕食
21:00〜22:00 入浴しながらSNSのチェック
22:00〜24:00 晩酌や読書、TV鑑賞など
24:00〜1:00 片付けや翌朝の準備など
1:00〜8:30 睡眠

現在は自宅で仕事をしています。日によって仕事の内容や業務時間はまったく異なるのですが、なるべく通勤していた頃と同じサイクルで行動するように心がけています。移動中や入浴中などの手持ち無沙汰になる時間は、会社のSNSのチェックなどを行うようにしています。

■休日のスケジュール


8:30 起床
8:30〜10:00 朝食・身支度・家の掃除
10:00〜12:00 ペットの鳥籠の掃除
12:00〜13:00 昼食
13:00〜17:00 外出(散歩・サイクリング・ショッピングなど)
17:00〜18:00 夕食の下ごしらえ
18:00〜19:00 入浴
19:00〜24:00 夕食・晩酌・リラックス時間
24:00〜1:00 片付けや翌朝の準備など
1:00〜8:30 睡眠

休日もできるだけ平日と同じ時間に起きて、コーヒーを淹れつつ、ゆったり準備をします。また、小鳥を飼っているので、週に一回鳥籠の大掃除をします。休養を大事にしたいので、あまり予定は詰め過ぎないようにしています。夜は好きな料理を作ってお酒を飲むのが息抜きです。

最近悩んだこと、失敗したことは? またどうやって乗り越えましたか?

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本を作る仕事は、作家やライター、デザイナーや印刷会社など、多くの人と関わりながらのチームプレーです。そのため、意見の衝突が起きることも珍しくはありません。そんなとき、最後にどうするか決断するのも編集者の役割の一つです。

最近では、制作中の書籍のタイトル決めで意見の食い違いが起きました。著者であるライター、イラストレーター、そして編集者の私で、いいと思うタイトルが違ったのです。納得できるまで話し合い、最終的には一人だけではたどり着けない素敵なタイトルが生まれました。

多数決などで安直に誰かの意見を切り捨てるのではなく、お互いに意見を出し合い、ベストな答えを出せたのです。話し合いの過程では心が折れそうになることもありますが、それこそがチームプレーの醍醐味だと思います。関わる人が多ければ多いほど、いろんな角度からアイデアを出し合い、より面白いものを作り上げることができると思っています。

なかなか踏み出せないけど、いつかやってみたいことは?

仕事では、ベストセラーと呼ばれる本を作りたいです。もちろん、数字がすべてとは思っていませんし、どちらかというと自分の興味のある分野で、好きな本ばかり作りたくなってしまうタイプではあります。ただ「普段本を読まない人にも読んでもらえる本を作りたい」という想いをずっと持っているので、それをより実現させる方法として、作った本には話題になってほしいなと思っています。

プライベートでは、今流行りの「ソロキャンプ」に行ってみたいです。日常を忘れる手段として、観光地に旅行に行くよりも手軽ですし、自分自身と向き合ったり思考を整理したりする良い時間になりそうなので。アウトドアの経験が一切ないので、まずは道具などを揃えるところから始めなければいけませんが(笑)

ほんとは教えたくないけど、今すぐできるちょっと日常が楽しくなったり豊かになったりするものはありますか?

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コロナ禍で人と会う時間が減り、寂しさを抱えている方も多いのではないでしょうか。そこでオススメしたいのが、動物や植物を育てることです。私も、一度目の緊急事態宣言を受けて在宅勤務がスタートし、思い切って小鳥を飼い始めたり、植物を育て始めたりしました。

特に育てやすい観葉植物をオススメしたいです。写真は左から「ニーム」と「アデニウム」。今は無事に冬を越せるかどうか、窓辺に置いて葉の色や張りをチェックするのが日課になっています。毎年少しずつ大きな鉢に植え替えていって、数年後にはどんな大きさになっているんだろう、と想像するのも楽しみです。

もちろん単純に観て癒やされるというのもあるのですが、それよりも自分が関わった命が育っていく感覚こそが日常の潤いになるので、在宅勤務で「日常に変化がない」と感じている方にはぜひオススメしたいです。

取材・文/秋カヲリ

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